25歳から35歳あたりは「お金の配分」に悩むことがある

 25歳の誕生日を迎えると「アラサー」と言われはじめます。「アラウンド○○」ということで、この先も35歳になれば「アラフォー」、45歳になれば「アラフィフ」と呼ばれます。そして、55歳になると「アラ還」(還暦=60歳)という言葉まであります。

 言葉の是非はともかく、25歳から35歳というのは人生とお金の大きなターニングポイントでもあります。

 キャリアで35歳まで「稼げる自分」をデザインすることは、その後の数十年を左右しますが、25歳からの10年の伸び代(のびしろ)によって生涯賃金を数千万円以上変えてしまうことは珍しくありません。

 生活コストも徐々にアップしていきます。学生の時と同じようなお金の使い方をしているのは25歳ぐらいまでで、スーツのグレードや飲食代の予算が上昇し始めます。「上質を知る」なんていうと大げさですが、少しお金をかけてクオリティーの高い経験をする年代でもあるでしょう。

 結婚や子育ての入り口に立つのもこの頃で、早い人なら30歳前に結婚式やお子さんの誕生イベントがやってきます。

 このように、新社会人気分が抜けて「アラサー」と呼ばれる頃は、生活の変化も大きくなります。この時期、お金の配分についてどう考えていけばいいのでしょうか。

まずは「自分への投資」をする場合の注意点と期待される効果を考える

 アラサーの社会人については、コスパを考えたとき「年収アップという運用」の効果が大きいことが挙げられます。学校で学んだ知識で足りないことがほとんどであり、むしろ社会人になってから蓄えてきた知識があなたの人生を左右することになります。

 また、すぐ効果が出なくても、30代から40代の伸び代を逃さないためにも、自分の知識を蓄えておくことが欠かせません。

 その意味を踏まえると、アラサー時代にどう勉強するかがカギになります。なんでも勉強すればいいわけではなく「勉強のパフォーマンス」は常に意識するべきです。例えば年収増に役立たない資格を取るのはあまり意味がなく、それなら仕事に関わる専門誌を社内の図書資料室で読んでいたほうがよほど役立つのではないでしょうか。

 個人が購読するには高価なので、仕事の専門誌は社内で情報にアクセスする方法をフル活用したいところです。例えば、上司のところにのみ回覧されているようなら、上司の不在時に拝借して読みたいところだけコピーするなど工夫をしてみましょう。最初は理解不能な記事も多いでしょうが、小さな積み重ねは結構な効果があります。

 もちろん、資格給や、受験費用補助のあるような業務に直結する資格は取得するべきです。また、転職に「ハク」がつく資格ならぜひ、取っておきましょう。

 資格を持つことは、仕事のさまざまなシーンであなたを助けてくれ、年収がアップするならこれは「元が取れる運用」と同様のものなので、がんばってみましょう。

 転職については、アラサーになったら一度は考えてみてください。今の会社で長く働いてもあまり給料が伸びないのなら、どんなに優秀な人でも高い給料は出ないかもしれません。思い切って見切りをつけるのも、人生の戦術です。同じ仕事量で高い給料をもらえるとしたら、これほどパフォーマンスのよい話はないからです。

 今の会社で働き続ける場合でも、「普通の社員」より「同世代の中でも多面的に詳しい社員」のポジションにいることが大事です。それはあなたにとって有利な稼ぎ方になるはずです。