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「景気ウォッチャー調査」、いわゆる『街角景気』とは、景気に敏感なタクシー運転手や小売店、メーカー、輸送業、広告代理店など、地域の景気の動きを敏感に観察できる立場にある約2,000人を対象とした調査です。2019年4月の『街角景気』は、足元の景況感を示す現状判断指数(DI)が2カ月ぶりに改善しましたが、内閣府は、「このところ回復に弱さがみられる」との『街角景気』の基調判断を据え置きました。
【ポイント1】現状判断DIは前月比+0.5ポイントとなり2カ月ぶりに改善
先行き判断DIは3カ月連続悪化
2019年4月の『街角景気』によると、現状判断DI(季節調整値)は前月比+0.5ポイントの45.3でした。景況感は2カ月ぶりに改善しました。大型連休や改元商戦に対する期待などが影響したとみられます。
項目別では、家計動向関連、企業動向関連のDIが改善し、雇用関連のDIは悪化しました。家計動向関連はサービス関連などが改善、企業動向関連は製造業は改善した一方、非製造業は前月から横ばいでした。
一方、先行き判断DIは前月比▲0.2ポイントの48.4と、小幅ながら3カ月連続で悪化しました。項目別にみると、家計動向関連がわずかに改善したものの、企業動向関連、雇用関連が悪化しました。
【ポイント2】現状のコメントは「節約」や「値上げ」が増加
先行きは「消費税」、「増税」、「駆け込み」が一段と増加
街角の声をより客観的に分析する、当社独自のテキストマイニングによる分析手法(*)によると、ウォッチャーの現状判断に関するコメントにおける単語の使用数は、節約にかかわる用語や値上げが大幅に増加しており、家計の消費に対する慎重姿勢がうかがえます。
一方、先行き判断については、「消費税」、「増税」、「駆け込み」が一段と増加しており、消費税率引き上げへの関心が高まっていることがうかがえます。また、「人手不足」が大きく減少しており、景気減速が雇用環境に及ぼす悪影響が懸念されます。
(*)テキスト(文書)をコンピュータで探索する技術の総称。典型的な例として、テキストにおける単語の使用頻度を測定し、テキストの特徴を統計的に分析・可視化することで、背後にある有益な情報を探ることができます。
【今後の展開】現状判断DIは改善したものの、米中貿易協議が注目される
内閣府は、「このところ回復に弱さがみられる」との『街角景気』の基調判断を据え置きました。先行きについては、「海外情勢等に対する懸念がみられる」としました。4月の現状判断DIは小幅ながら改善しましたが、5月以降は米中貿易協議の難航などによる景気への不透明感などから国内の株式市場は大幅に下落しており、米中対立が長期化した場合には国内景気への影響が懸念されます。