これまで何度か、世界経済の成長による金融市場の拡大の流れに乗り、株価は長期的には上昇する蓋然性(がいぜんせい)が高いと書いてきました。今回は、世界経済をブレークダウン。国別に見て、どの国が高い成長を上げやすいかを見極める方法についてお伝えします。

経済が高成長する国の株価は上がりやすい

 経済成長率が高い国では、企業収益は、短期的にはアップダウンがあっても、長期的には伸びることになります。理論的には、株価の裏付けは企業収益であり、企業収益が伸びれば、株価は上がり、落ちれば、株価は下がります。株価は、企業収益以外の影響でも動くため、絶対ではありませんが、一般的には、経済成長率が高い国の株価は、長期的には上昇トレンドになりやすいと言えます。

 つまり、投資で利益を上げるには、長期的に高い経済成長ができる国を見つけて、その国の株式に投資すればよいことになります。そんなことは可能でしょうか?

 実は、長期的に高い経済成長率を上げられる可能性が高い国を見つけることはできます。

高成長する国を見つけるには、人口動態に注目

 人口動態という言葉を聞いたことがありますか?

 辞書で調べると「ある一定期間の人口の変動、動き」とあります。この人口動態を見れば、高い経済成長を上げる可能性が高い国を見つけることができるのです。

 新聞などを読んでいると、GDP(国内総生産)という言葉がよく出てきます。GDPは、難しい言葉で言うと、国内で生産された付加価値の総額ですが、平たく言うと、経済の規模を表します。このGDPは、「労働人口」と呼ばれる労働者の数と、「労働生産性」と呼ばれる労働者一人当たりが生み出す成果を掛け合わせたものになります。式で書くと、以下のとおりです。
  GDP = 労働人口 × 労働生産性

 このGDPをできるだけ大きく伸ばすことが、ずばり高い経済成長率につながりますので、その実現のためには、上記の式の労働人口か、労働生産性の両方、またはどちらか一方をできるだけ大きくすることが必要になります。

 労働生産性は、労働者一人当たりが生み出す成果と書きましたが、この長期的な動きを予測することは簡単ではありません。例えば、今から30年前の1989年に平成の世が始まりましたが、そのときにはインターネットは存在せず、職場にパソコンはなく、携帯電話もごく一部のお金持ちしか持っていませんでした。しかし、今はインターネットが当たり前の世の中となり、職場だけでなく家庭にもパソコンがあり、誰もが携帯電話やスマートフォンを持っています。この技術革新は、一人の労働者が同じ仕事を仕上げるためにかかる時間を大幅に短縮しましたが、30年前にこれほどの労働生産性の向上を予測することは困難でした。

 一方、労働人口は、ある程度の予測が可能です。その国の出生率と死亡率には、一定のトレンドがあり、それらの水準は簡単には変わりません。そのため、人口構成の変化を予測できますし、海外から入ってくる人の数も外国人の受け入れ政策からある程度予測できます。つまり労働人口の動きについては、相当な長期にわたって精度の高い予測が可能なのです。