FRBに利下げを迫るトランプ大統領。FRB理事次第の相場に?
となると、トランプ氏が次に攻勢を強めるのは株価対策の完了後だろう。
トランプ氏はFRB(米連邦準備制度理事会)に対して1%の政策金利引き下げを執拗に要求している。先のFOMC(米連邦公開市場委員会)でFRBは現行金利維持を決めたが、米国の金利先物市場はすでに年内の利下げ開始を織り込みつつあり、FRBがトランプ氏の利下げ圧力に屈するのは時間の問題とみられる。
トランプ氏は保守色の強い経済評論家のスティーブン・ムーア氏ら知人の実業家を空席となっているFRB理事に送り込もうとしたが、身内の共和党内からも反発されて断念した経緯がある。トランプ氏は現在、非公式経済アドバイザーを務めるジュディ・シェルトン氏を推している。シェルトン氏はEBRD(欧州復興開発銀行)の米国代表としての実務経験もあり、ムーア氏のような激しいバッシングは避けられる見通しだ。
シェルトン氏のFRB理事就任が固まれば、金利引き下げを先取りして米国株が上昇した時が、トランプ氏が対中攻勢をさらに強めるタイミングとなりそうだ。