<今日のキーワード>
『PMI』とは、購買担当者景気指数(Purchasing Managers’ Index)の略で、企業の景況感を示す経済指標です。景気判断の節目である50を上回れば景気拡大、下回れば縮小を表します。IHS Markitは世界全体の景況感を示すグローバル『PMI』を毎月公表しています。直近の4月分は製造業・サービス業ともに前月から低下しました。グローバル『PMI』についても、今後は米中貿易協議の行方が注目されます。
【ポイント1】4月グローバル『PMI』は全体的に低下
50を上回るも、低下傾向続く
IHS Markitが発表した4月のグローバル『PMI』は製造業が50.3、サービス業が52.7と、それぞれ前月の50.5、53.7から低下しました。
グローバル『PMI』は製造業・サービス業ともに景気判断の節目である50を上回っており、景気拡大を示してはいるものの、低下傾向にあります。
【ポイント2】製造業は新規受注・生産が上昇
雇用や在庫の低下が押し下げ要因に
グローバル『PMI』の製造業の内訳をみると、需要を反映する新規受注と供給を反映する生産がともに前月から上昇しました。
一方、雇用や在庫などが低下し、その低下幅が新規受注や生産より大きかったことが、グローバル『PMI』の製造業の低下につながりました。
グローバル『PMI』の製造業の低下傾向は継続しているものの、その低下ペースは緩やかなものになりつつあります。加えて、新規受注や生産の上昇は、今後のグローバル『PMI』の製造業の下げ止まりや反転を示唆している可能性があります。
【今後の展開】米中貿易協議の行方に注目
グローバル『PMI』の製造業の国・地域別内訳をみると、米国やユーロ圏、日本は前月から上昇した一方、中国が低下し、全体の足を引っ張る形となりました。
足元では、トランプ米大統領が対中追加関税を25%へと引き上げると5月5日に表明し、米中貿易協議をめぐる不透明感が高まっています。米中ともに協議に向けた準備を進めているとみられ、交渉は継続される模様ですが、協議の結果が、米中をはじめとする世界の景気動向に影響する可能性があるため、今後の展開が注目されます。