失業保険申請に見る労働市場の強さ
米国の雇用市場の状況を知る指標のひとつに、毎週発表される新規失業保険申請件数があります。新規失業保険申請件数は減少が続いていて、4月第3週時点では1960年代以来の19.2万件になっています。
失業保険の申請が減るということは、それだけ失業者が少なくなったという意味。申請件数だけで見ると、米国の雇用市場は、過去50年間で「最も強い」状況といえます。
米国で人手不足が深刻になっていることは以前の雇用統計詳細レポートでもお伝えしました。問題なのは、雇用がこれほど強いのに賃金上昇がついてきていないことです。
FRB(米連邦準備制度理事会)も頭を悩ませていて、アトランタ地区連銀の報告にも「労働市場のひっ迫化が賃金に影響を与えるような明確な兆候は見られない」と懸念が示されています。