デメリット2 口座管理手数料がかかる

 イデコを始める場合、金融機関に口座を開設する必要があります。金融機関は銀行や証券会社、信託銀行、保険会社など様々ですが、どこで開設した場合でも(1)国民年金基金連合会に支払う手数料(年間1,236円)、(2)金融機関の運営管理機関手数料、(3)事務委託先金融機関手数料(年間768円)という3つの手数料がかかります。この手数料はデメリットなのでしょうか。

 まず、(1)と(3)はどの金融機関で口座を開設しても一定です。つまり、年間2,004円は必ずかかることになります。加えて、iDeCo口座を開く金融機関に対して(2)の運営管理機関手数料を払う必要があります。特に(2)は金融機関によって大きく異なります。

 最近ではSBI証券や楽天証券などで(2)の手数料を無料にするといった動きも出てきています。とはいえ、年間2,004円は必要なわけですから、たとえばiDeCo口座の残高が10万円の場合は手数料は約2%のコストになります。月々の掛け金が少ない人や、運用している総額がさほど大きくない人にとってはやや重く感じられる比率です。

 一方、積立が進んで残高が増えてくれば、この手数料の割合は当然のことながら小さくなります。残高が50万円になれば0.4%、200万円になれば0.1%です。

 金融機関を上手に選んで手数料を安く抑えることが、長く続けるうえではとても重要な意味を持つということの裏返しとも言えますね。

 

デメリット3 60歳まで引き出し不可である

 イデコは老後に向けた資産形成を行うための制度です。だからこそ税制優遇もされています。そして、原則として60歳まで引き出すことはできません。

 万が一の際のリスクを考えて、これをデメリットだとする見方もあります。確かに人生設計上必要なお金まで拠出してしまって引き出せないとなれば大変なことになってしまいますが、無理のない範囲で積み立てていくのであれば、むしろ60歳までしっかり積立と運用ができるこの制度はメリットのほうが多いとも考えられます。

 節税メリットを最大限に生かす、あるいは掛け金に対する手数料の割合を下げるという意味では、限度額いっぱいまで掛け金を拠出するのが最も効果的ですが、60歳まで引き出せないことを考えて、無理のない金額から始めてみてはいかがでしょうか。

 ちなみに、掛け金の変更は毎年4月から翌年3月の間で年1回可能です。ライフステージの変化に合わせて、余裕があるなら増やす、厳しい時期は減らす、というやりくりもできますね。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか。デメリットとされる部分も、しっかりと商品を選び、無理のない計画を立てて積み立てていけばクリアしていけそうに感じられます。将来のためにコツコツと資産形成を進めていきたいですね。