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次世代分野のモビリティサービス(『MaaS』)で、先行するグーグルや中国などの競合に対抗するため、国内で提携が広がっています。トヨタ自動車とソフトバンクの両社は新しいモビリティサービス構築に向けて「モネ・テクノロジーズ」を設立しましたが、ここにきて競合関係にあったホンダなども同社と資本・業務提携する動きが相次いでおり、今後の動向が注目されます。
【ポイント1】『MaaS』は現状ではグーグルなどの陣営や中国が先行
『MaaS』は(Mobility as a Service)の略で、自動車などの移動手段を保有せず、必要なときだけ料金を払い利用するサービスの総称です。将来は自動運転車両を使った移動型の店舗や無人宅配など、モノの移動にも用途が広がるとみられています。現状では『MaaS』はグーグルなどの陣営や国家主導で開発が進む中国が先行していますが、これに対抗し国内企業の資本・業務提携の動きが活発化してきました。
【ポイント2】モネ・テクノロジーズに国内の88社が参加
『MaaS』事業を展開するトヨタ自動車とソフトバンクの共同出資会社モネ・テクノロジーズは3月28日、次世代の移動サービスを開発するためのコンソーシアムを立ち上げたと発表しました。東日本旅客鉄道、三菱地所、ヤフーなど物流や不動産など多様な分野の計88社が参加しました。これにより、グーグルや中国に対抗できる日本企業連合を目指します。
またホンダと日野自動車がそれぞれ約2億5千万円を出資し、モネ・テクノロジーズの式の約10%を取得すると発表しました。出資会社は4社となります。ライバル関係にあり、ハイブリッド車(HV)や燃料電池車(FCV)など次世代技術で競ってきたトヨタ自動車とホンダの協業は異例で注目されます。走行や制御などの自動車の基幹技術では競争する一方、サービス開発では提携する戦略とみられます。
【今後の展開】『MaaS』の資本・業務提携の動きは今後も相次ぐ見通し
『MaaS』事業を展開するにあたってトヨタ自動車が、今も大株主で関係の深いKDDIではなく、ソフトバンクと提携したことが注目されましたが、モネ・テクノロジーズには競合関係にあったホンダなど88社の国内企業が参加しました。同社は今後も企業の参加を呼び掛ける方針です。今後も『MaaS』の主導権確保を巡って従来の関係を超えた資本・業務提携の動きが相次ぐとみられます。
※個別銘柄に言及していますが、当該銘柄を推奨するものではありません。