本日の注目通貨
ドル/円:112円で横ばい
16日(火曜)のドル/円は111.99円でオープン、欧州時間に111.85円まで下げた後112.04円まで反発。終値は112.02円。
日米貿易交渉が、今週15日から始まっています。ドル/円を動かす材料として期待を集めていますが、トランプ政権の最優先課題は中国で、その次がEU(欧州連合)。日本との交渉が本格化するのはまだ先になりそうです。
NZドル/円:今朝のマーケットで急落!
17日(水曜)朝のマーケットでNZドルが急落。NZD/円は75.84円から一気に74.65円まで値下がりしました。NZの1~3月期CPIが予想を下回ったことが理由。
RBNZ(NZ準備銀行)のオア総裁は「経済データ次第では、緩和政策の導入を検討しなくてはいけない」と発言しており、NZドルに対しては警戒感がでていました。RBNZは、次回の政策変更は「利下げの可能性が高いと警告していますが、指標結果が懸念通りの結果となったことで、早ければ5月にも「利下げ」の観測がでています。
豪ドル/円:キウイの次は豪ドル…?
この日(16日)に公表されたRBA(豪準備銀行)議事録が、「利下げ」を討議していたことを明らかにしたことで、豪ドルは下落。豪ドル/円は80.39円をトップに79.89円まで下げました。ただし「短期的には、政策金利を変更する強い理由はない」とも述べており、下落も限定的。
RBAが利下げに向けて急速に動く材料があるとすれば、明日発表の豪雇用統計です。豪では経済成長がRBAの目標を下回るなど、経済に停滞感が漂っているのですが、その中で唯一強さを保っているのが雇用市場。雇用データまで悪化する事態になれば、RBNZとともに、来月「利下げ」の確率が高まるでしょう。
トルコリラ/円:下落
ドル/円やユーロ/円、豪ドル/円が上昇した一方でトルコリラ/円は下落。金曜日は19.19円まで下げて3月28日以来の安値をつけました。トルコ統一地方選挙後の上昇分を全て吐き出したことになります。
トルコ財務省が経済計画を発表しましたが、格付け会社ムーディーズは「具体策に欠ける」と一蹴。政治的にも米国とのぎくしゃくした関係が続いていて、トルコがミサイル購入などを通じてロシアに急接近していることが米国の不興を買っています。
トルコリラ/円の次サポートは、統一地方選挙前の3月23日につけた18.73円。この時は、エルドアン大統領が欧米の銀行による投機的な動きだと激怒して、CBRT(トルコ中央銀行)がリラの調達(ファンディング)金利を引き上げるなど流動性を締め上げた結果、翌日物スワップ金利が1,200%を突破して市場機能は完全に麻痺しました。トルコリラ/円が前回の安値を更新することになれば、同じことがまた繰り返されるリスクもあります。
しかし、その代償としてトルコの外貨準備は3月の3週間で100億ドルも急減。同じことが「できなくなる」リスクもまた高まっています。海外投資家はトルコ市場に「弱気」姿勢を強めています。