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 海外市場では通常通りの取引が行われる中、国内株式市場は4月27日からの『10連休』により休場となります。異例の長期間の休場となるため、株式市場への影響が懸念されています。『10連休』に向けた市場参加者の対応いかんでは、株式市場が混乱する可能性もあります。本レポートでは、先物・オプション市場、信用取引、3月決算発表などで想定される影響について整理してみたいと思います。

 

【ポイント1】先物・オプション市場、信用取引、3月決算発表などに影響

 株式市場は4月27日から『10連休』により異例の長期間の休場となります。また『10連休』後にオプションのSQ算出日を控えることや、3月決算の発表が集中することなどからその影響が懸念されています。市場参加者は基本的にはリスク度合いを縮小する方向に動くとみられますが、株式市場が混乱する可能性もあります。

 国内企業の多くが3月決算で、連休により例年以上に決算発表が集中します。これが株式市場全体へ影響を与える可能性があります。更に影響が大きいとみられるのは先物・オプションや信用取引です。

 

【ポイント2】先物・オプションや信用取引での対応次第では波乱も

 先物取引では、大幅に売り越してきた外国人投資家などが、ポジション縮小のため、先物の買い戻しを加速する可能性があります。また5月10日の5月限月のオプションSQ算出日までの実質的な取引日が少なく、ポジション整理の動きが集中する可能性があります。いずれも相場の変動率を高める要因となります。

 信用取引では『10連休』中の信用期日が連休前に集中することや、信用売りなど空売りによる株式の調達コストが上昇した場合の影響などが注目されます。特に半導体関連などハイテク株の一部で年初前後の底値圏で信用売り残が増加し始め、その後株価が急上昇した銘柄などでは、買い戻しが膨らむ可能性もあります。

 

【今後の展開】『10連休』の影響から混乱があっても一時的

『10連休』中には、前述した以外にも海外での重要経済指標が発表されるなど、様々な不透明要因があります。ただし、『10連休』の影響により相場の変動率が高まっても、それが、主に『10連休』に起因するものであれば、影響は一時的なものにとどまり、『10連休』後は次第に落ち着きを取り戻すとみられます。