本日の注目通貨

ドル/円:FOMC議事録、利上げ再開、ゼロではない

 水曜日(10日)のドル/円は111.13円でオープン、NY時間まで横ばいが続き米3月CPI(消費者物価指数)の発表後に111.28円まで上げましたが、FOMC議事録の公表前から売り優勢になって110.84円まで下落。終値は110.98円。終値が111円を下回ったのは4月になって初めて。

 この日公表されたFOMC議事録では、「忍耐」について定期的に見直しが必要であるとの認識を示しました。金利見通しについては、「上がる、下がる、どちらの方向にも変わる可能性がある」として、経済情勢によっては、利上げ再開の可能性があることに含みをもたせる内容でした。

 しかし今のFRB(米連邦準備制度理事会)は様子見モード。利下げの可能性はやや遠のいたイメージですが、かといってすぐに何か行動を起こすこともないので、マーケットとしても動きにくい状況。新たな材料がない状況で112円チャレンジの勇気はなく、買いポジションを整理したようです。

出所:MarketSpeed FXより、楽天証券作成 

ユーロ/ドル:ECBは弱気へ向かって進んでいる

 ユーロ/ドルは、ドラギ総裁の会見後に1.1287ドルを高値に1.1230ドルまで下落、ただその後は戻して1.1270ドルで終了。

 ECBはこの日(10日)の会合で政策金利の現状維持を決定。声明文の内容は前回と変わらず、年内は金利を据え置いたままにすることを示しました。その後登場したドラギ総裁からは、新しい緩和政策の発表はありませんでした。しかし、ECBが強気になったということはではなく、むしろその逆でECBが緩和方向へ進んでいることは確かなようです。

出所:MarketSpeed FXより、楽天証券作成
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