本日の注目通貨

ドル/円:米雇用統計は「株にやさしく、ドルにつれない」

 先週金曜日(5日)に発表された3月の米雇用統計では、NFP(非農業部門雇用者数)が19.6万人増加。市場予想の17.8万人を上回る伸びで、前回の大きな落ち込みから瞬く間に回復しました。失業率は労働力の減少を反映して3.8%で変わらず。一方で平均労働賃金はソフトな結果となり、前月比で+0.1%、前年同月比で+3.2%と、共に予想を下回りました。

 米労働市場は、雇用が伸びて失業率は半世紀ぶり低水準、しかし賃金上昇は緩やか。米経済は強く、インフレは不在。利上げの影におびえることなく好景気を満喫できるというわけで、金曜日のNY株式市場は、ダウ平均株価、S&P、ナスダックの主要3指標がそろって続伸。ダウ平均株価は昨年10月9日以来約半年ぶりの高値を更新しました。

 ただし、ドルにとっては「良くも悪くもない」結果。雇用者増加はドルの支援材料ですが、平均労働賃金は利上げ必要なしを意味するわけで、これがドルの上値を抑えました。

 指標発表後のドル/円は、いったん111.53円まで下げましたが、すぐに111.82円まで回復。これがこの日の安値と高値でした。終値は111.71円。

出所:MarketSpeed FXより、楽天証券作成 
出所:MarketSpeed FXより、楽天証券作成