今週の注目通貨

ドル/円:111円台へ

 週明け東京朝のドル/円は、リスクオフが多少和らいだことで、やや円安に推移しています。東京時間朝8時現在のドル/円は、先週の高値を超える110.99円まで上昇。3月20日以来の111円台は時間の問題と思われます。

出所:MarketSpeed FXより、楽天証券作成

ポンド/円:合意なき離脱へ進む

 泥沼のブレグジット協議が続くなか、じりじりと「合意なき離脱」へ向かって進む英国に嫌気して、週末のポンド/円は、144円を挟んで神経質に上下。週明けのポンド/円は、先週末の終値とほぼ同水準の144円台前半で取引されています。

 英議会は先週金曜日(29日)、メイ首相の離脱協定案を反対多数で否決しました。否決は3回目。英国に残された選択肢は、4月12日に「合意なき離脱(ハードブレグジット)」をするか、それもとも「離脱の期限延長(ソフトブレグジット)」かの二択しか残っていません。

 EUのトゥスク大統領は、4月10日に英離脱問題を協議する臨時EU首脳会議を開催すること急きょ決定。英国が離脱の期限延長をするには、メイ首相がこの日までにEUが納得するような「案」を提示することが必要不可欠。そのため、今週にも離脱合意案の4度目の採決をする予定と伝えられていいます。

出所:MarketSpeed FXより、楽天証券作成

トルコリラ/円:統一選挙終了、今後の動きに注意

 3月31日に実施されたトルコの地方統一選挙は波乱なく終了。エルドアン大統領は勝利宣言を出しましたが、実際は劣勢に立たされている模様。首都アンカラの市長選は野党連合が勝利宣言。最大都市イスタンブール市長選では与野党の大接戦となっています。

 週明けのトルコリラは落ち着いた動きで、先週終値とほぼ同水準の19.70円前後で推移。

 しかし、これで全てが決着したわけではありません。むしろその逆といえます。まずは本日の欧州勢の反応を見る必要がありますが、人気回復を狙ったエルドアン大統領が、経済状況を無視した「利下げ」や財政拡大政策を打ち出すことは十分予想されます。またシリア問題を解決するために軍事行動も排除しないと表明しているため、中東地域の地政学リスクも高まりそうです。トルコの政治経済に対する懸念は依然として強く、今後もトルコリラの不安定な状況が続くと思われます。

出所:MarketSpeed FXより、楽天証券作成