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 小売業、外食産業などで深刻な人手不足や働き方改革などへの対応のため、『営業時間の見直し』が相次いでいます。コストに占める人件費の割合の高い労働集約型産業である小売業、外食産業の内、『営業時間の見直し』では外食産業が先行していましたが、24時間営業がビジネスモデルの根幹とみられていたコンビニエンスストア(コンビニ)でも『営業時間の見直し』が試験的に始まっています。今後の動向が注目されます。

 

【ポイント1】人手不足の中で働き方改革関連法案が順次施行される

外食産業に続き、小売業でも『営業時間の見直し』が始まる

 人手不足が深刻度を増しています。厚生労働省によると2018年平均の有効求人倍率は1.61倍となり、高度成長時代の1973年以来の高水準となりました。また、今年4月には「有給休暇義務化」や大企業で「残業時間に関する上限規制」、来年4月には大企業で「同一労働・同一賃金」の適用など働き方改革関連法案が順次施行されます。

 こうした背景もあり『営業時間の見直し』は先行した外食産業に加えて、小売業でも相次いでいます。

 

【ポイント2】セブンイレブンは営業時間短縮の実験を開始

外食産業では24時間営業廃止や一斉休業の動き

 セブンイレブンは3月21日に全国の直営10店舗で時短営業の実験を始めました。24時間営業はコンビニのビジネスモデルの根幹とみられていたため、注目されています。今回の件は人材確保が難しい中、人件費上昇は加盟店側の負担となるため、大阪の加盟店オーナーと対立したことがきっかけとなりました。実験を通じて実情に即した事業モデルを検証していくとみられます。またマックスバリュー西日本は一部店舗での24時間営業をやめると発表しています。

 外食産業は、コンビニに比べて直営店の比率が高いため、『営業時間の見直し』で先行しました。ロイヤルホストは営業時間の短縮を進め、24時間営業の店はなくなっています。また一斉休業日を設ける企業も増加しています。

 

【今後の展開】労働生産性向上につながる持続的な成長モデルの構築が求められる

 人手不足が深刻度を増す中、働き方改革関連法案が順次施行されます。一方、日本は長時間労働により労働生産性は他の先進国と比べて明らかに低い水準にあります。企業は長期的視点に立ち、顧客満足度の維持などに一定の配慮をしつつ、効率的な店舗運営などによる労働生産性向上につながる持続的な成長モデルの構築が求められます。

※個別銘柄に言及していますが、当該銘柄を推奨するものではありません。