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『SDGs』(持続可能な開発目標)とは、2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に記載された2016年から2030年までの国際目標です。持続可能な世界を実現するための17の目標・169のターゲットから構成されており、「誰一人として取り残さない」ことを誓っています。“持続可能な開発”は企業にとっても欠かせない観点となってきており、今後も広まっていくと考えられます。

 

【ポイント1】“持続可能な開発”は企業にとっても欠かせない観点になりつつある

『SDGs』以前に提唱されたESGは広く世界に普及してきている

『SDGs』とは、Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)の略で、2015年9月に国連サミットで採択された国際目標です。近年の世界経済は、科学技術の進歩と急激な人口増加による発展を遂げ、グローバル化が進む中で環境問題などが深刻な課題の一つとなっています。このため“持続可能な開発”は企業にとっても欠かせない観点となってきており、今後も広まっていくと考えられます。

『SDGs』に先んじて、2006年には国連が「Environment(環境)」、「Social(社会)」、「Governance(ガバナンス)」の頭文字をとったESGに配慮した投資をするよう求めた責任投資原則を提唱しました。ESG投資は欧米の年金投資家などを中心に普及しており、2016年の投資額は世界の運用資産の約4分の1にまで達しています。

 

【ポイント2】普遍性、包摂性など5つが『SDGs』の特徴

さらに17の目標と169のターゲットなどが設けられている

『SDGs』の特徴として、1.先進国を含めて全ての国が行動する「普遍性」、2.人間の安全保障の理念を反映し、誰一人取り残さない「包摂性」、3.全てのステークホルダーが役割を担う「参画型」、4.社会・経済・環境に統合的に取り組む「統合性」、5.定期的にフォローアップする「透明性」の5つが挙げられます。

 この5つの特徴の下、貧困や飢餓、保健、教育、気候変動、海洋資源、陸上資源など17の目標が掲げられており、さらに、169のターゲットが設けられ、232の指標が決められています。

 

【今後の展開】『SDGs』の取り組みを通じて多くの分野で成長が期待される

 国連貿易開発会議(UNCTAD)によると、『SDGs』の達成のためには、2030年までの間に世界で年間5~7兆米ドルの投資が必要となると試算されています。また別の機関では、『SDGs』の達成に向けて成長が期待される市場の規模は、年間12兆米ドルにも上るとの試算もあります。『SDGs』は既に企業間でも関心が高まってきており、今後より身近なものになっていくと考えられます。