本日の注目通貨
ドル/円:110円後半まで反発
26日(火曜日)のドル/円は、109.93円でオープンしてから少し下げて109.90円をつけ、NY時間に110.69円まで上昇。終値は110.64円でした。下サイドは109.80円近辺にはまとまった買いがある模様。一方で111円も重そう。
サポートは、109.90円、109.30円、その下は108.50円。
レジスタンスは、111.00円、111.50円、その上は112.00円
南アランド:今週は注意
先週末、南アランド/円が急落。火曜日(25日)には7.54円まで下値を拡げ、1月のフラッシュクラッシュ以来の安値をつけました。トルコリラ急落のあおりを受けたのですが、南アランドも深刻な問題を抱えています。
南アフリカ政府が2月20日に発表した2019~2020年の予算案は、悪いだろうと予想していたマーケットののはるかに下をいくものでした。財政赤字のGDP(国内総生産)比は4.5%の予想で過去10年来の水準まで悪化、公的債務もさらに拡大する見通しで、財政状況の改善が進んでいないことが明らになりました。
国内電力の9割以上を供給している国営電力会社エスコムへ690億ランドにのぼる巨額の財政支援も追加の懸念材料。エスコムは実質破たん状態にあって、たびたび大規模停電を引き起こしては同国の経済活動に深刻な影響を与えています。
南アフリカは5月に総選挙を行うのですが、エスコムの労働組合が政府の人員解雇計画に反対して、総選挙直前に1週間の停電ストを断行すると警告しているため、政府としても強硬策がとれない状況。
明日28日にはSARB(南ア準備銀行)が政策金利を発表。6.75%に据え置きの見通しですが、中央銀行のインフレ見通しに注目が集まっています。
3月29日にはムーディーズが南ア格付けの見直しを行います。現在のところ、これ以上の格下げはないとの意見ですが、南アフリカの財政基盤の弱さとエスコムによる偶発債務リスクの大きさに懸念を示しています。