日米金利差(2年金利)で動く、ドル円為替レート

最近10年間のドル円の動きは、日米2年金利の差で、ほぼ説明できます。

日米の2年金利(残存2年の国債利回り)と日米金利差(2年金利の差):2008年1月~2019年3月(26日)

注:楽天証券経済研究所が作成

 次に、ドル円の動きと日米金利差を比較します。

ドル円為替レートと、日米2年債利回りの差:2008年1月~2019年3月(26日)

注:楽天証券経済研究所が作成

 過去10年を見ると、おおむね日米2年金利差と、ドル円は連動していることがわかります。ただ、厳密にいうと、以下のように細かい相違があります。

【1】2008~2011年

日米金利差の縮小にしたがって、円高(ドル安)が進みました。

【2】2012~2014年

日米金利差が少ししか拡大していないのに、大幅な円安が進みました。2年金利の差では説明できない程、円安の進行が大きかったということです。

【3】2015~2016年

日米金利差が拡大する中で、円高が進みました。行き過ぎた円安に修正が起こったと見ることができます。

【4】2017~2018年

日米金利差が拡大しましたが、ドル円は大きくは動かないレンジ相場となりました。その結果、行き過ぎた円安は修正されました。

【5】2019年

 日米金利差がどこまで縮小するか不透明で、ドル円に大きなトレンドが出にくい状態です。

 

為替は今後、円高・円安どちらへ進むか

 世界景気悪化・ドル金利低下がさらに進めば、さらに円高が進むと考えられます。一方、世界景気がこれ以上は悪化せず、2020年に向けて回復期待が出るならば、円高は進みにくくなります。

 どうなるか、予断を許しません。ただし、私が考えるメインシナリオでは、2020年に世界景気の回復を見ています。一時的にさらなる円高が進む可能性はありますが、2020年の景気回復が視野に入る頃には、円安に転じると予想しています。
 

 

 

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