本日の注目通貨
ドル/円:111円前半まで下落。買い弱まる
111.46円でオープンした週明けのドル/円は、東京午前に111.63円まで上昇したあと、NY時間には111.30円まで下落。終値は111.42円でした。
111円台はこの1週間ずっと維持していますが、112円は今月5日から約2週間もご無沙汰で、やや買い疲れもでてきたようです。サポートは111円、レジスタンスは112円。上下どちらかを抜けて動き始めることを期待します。
明日(日本時間21日深夜)は、FOMC(米連邦公開市場委員会)政策金利を発表、パウエルFRB(米準備制度理事会)議長が会見を開きます。
ポンド:EU離脱でまたもどんでん返し!
週明けのポンド/円は148.20円でオープンして、ドル/円とほぼ同じタイミングで東京午前に148.38円をつけ、NY時間に147円ちょうどまで下落。メイ首相の離脱離脱協定案の3度目の採決が来週まで延期になったことが背景。
ポンドにとっては、ブレグジットの不透明感が続くことは悪材料。ただし「合意なき離脱」という結果は最悪の材料。逆に英国が6月までの離脱を果たすことは、不透明感払しょくという意味でポンド買い材料になります。EU(欧州連合)が提案する1年超の「長期延長」も、合意なき離脱よりはマシで、ポンド売り材料にはなりません。ポンドがまだ下げ止まっているのは、3月末までの合意を期待した押し目買いが強いことを示しているといえます。
英議会は先週、EU離脱に関する採決を行い、結果は以下のようになりました。
1)ノーディール・ブレグジット(合意なしの離脱)を否決
2)EU離脱期限の延期を可決
3)2回目の国民投票の実施は否決
離脱期限の延期時期については、英国は6月末までを想定。一方、EUはそれよりはるかに長い1年もしくは2年を提案してくると思われます。これを踏まえて、メイ首相は今週中にも離脱協定案に対して3度目となる「重要な投票(meaningful vote)」を行う予定でした。しかし、ここにきて英下院議長が「同じ内容の離脱修正案であれば採決できない」と声明を発表したため、採決は来週に持し越しになることがほぼ確実に。週後半のEU首脳会議が、メイ首相寄りの譲歩をするかによって、来週の重要な投票が行われるどうかが決まることになります。
いずれにしても投票の選択肢としては、離脱協定案に合意して(6月までに)離脱するか、それともEUの提案に沿って1年以上離脱を先延ばしにするかのどちらか。しかし、英議会はすでに「合意できない限り離脱しない」ことを決定しているわけですから、もしどちらもダメというならば、それは英国がノー・ブレグジット(EUを離脱しない)という意味になります。
離脱推進派であるDUP(北アイルランドの民主統一党)やERG(欧州リサーチグループ)にとって、これは非常にまずい状況です。彼らはこれまでさんざんメイ首相の離脱協定案に反対してきたのですが、そのせいでブレグジットが廃止になる可能性もあるわけです。彼らがEU離脱という目的を果たすためにはメイ首相の案を受け入れるしかない、というのがマーケットの見方です。