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『法人企業統計』は、企業活動の実態を把握する目的で実施されている統計調査で、財務省から3カ月に1度発表されます。2018年10-12月期の全産業(金融・保険業除く)の設備投資は前年同期比+5.7%と、9四半期連続でプラスとなりました。調査結果は、3月8日に発表される10-12月期の国内総生産(GDP)改定値に反映され上方修正されそうです。経常利益は10四半期ぶりに減益に転じました。

 

【ポイント1】設備投資は前年同期比+5.7%

GDPの基礎統計となる「ソフトウエア除く全産業」は前期比+3.3%

 3月1日に発表された2018年10-12月期の『法人企業統計』によると、全産業(金融・保険業除く)の設備投資は、前年同期比+5.7%と9四半期連続のプラスとなりました。内訳をみると、製造業は同+10.9%と前期(7-9月期)同+5.1%から増加幅が拡大しました。電気機械が同▲21.6%、食料品が同▲10.8%となった一方で、情報通信機械が同+60.3%と大きく増加したことが影響しました。非製造業は同+2.7%と、前期(同+4.2%)からさらに減速しました。

 GDP改定値を算出する基礎となり、注目度の高い「ソフトウエア除く全産業」の設備投資の季節調整後の前期比は同+3.3%と、2四半期ぶりに増加となりました。

 

【ポイント2】経常利益は減益に転じた

売上高は伸び率が縮小

 全産業(金融・保険業除く)の経常利益は、前年同期比▲7.0%と前期の同+2.2%から10四半期ぶりに減益となりました。内訳をみると、製造業が同▲10.6%と前期の同▲1.6%から減益幅が拡大し、非製造業は同▲4.9%と前期の同+4.6%から減益に転じました。

 一方、売上高は同+3.7%と、前期の同+6.0%から伸び率が縮小したものの、9四半期連続の増収を維持しました。内訳をみると、製造業・非製造業ともに前期から伸び率が縮小し、製造業では生産用機械や業務用機械、電気機械、非製造業では不動産業の減少が影響しました。

 

【今後の展開】米中貿易協議の行方に注目

 このように、設備投資は市場の予想よりも堅調なものでした。これは3月8日発表の10-12月期のGDP改定値に反映され、設備投資やGDP全体はやや上方修正されると見込まれます。

 売上高の減速や経常利益の減少は、米中貿易摩擦の影響が表れていると見られます。米中間の協議では進捗が伝えられていますが、最終合意に至るか否か、引き続き今後の行方が注目されます。