1世紀を生き抜く「100年人生」が現実に

「100年人生」という言葉がすっかり市民権を得ています。雑誌の特集、テレビ番組のキーワードとして「100歳」という言葉があふれていますし、政府の取り組みの中でも「100年人生」に対応する社会制度の見直しがたくさん議論されています。


 厚生労働省の統計「簡易生命表」は日本人の平均寿命を毎年公表していますが、そこではある年齢の生存率についてもデータが含まれています。「100年人生」がここまで普及したきっかけは、ベストセラー『LIFE SHIFT(ライフ・シフト)』のおかげでしょう。同書は長寿化に伴い、社会とライフスタイルがどう変化していくかの可能性を示唆した一冊です。同書は単なる未来の予言書ではありません。むしろ100年人生は私たちの目の前に出現しつつあります。

 出生者のうち2人に1人がまだ元気である年齢(※1)は男性が84歳、女性が90歳となっています。4人に1人がまだ元気である年齢は男性で90歳、女性で95歳となっています。まだまだ日本人の平均寿命は伸びると予想されており(※2)、3~4年ほど伸びたとすれば、100歳はもはや現実的にありうるものとなっています。

 100歳以上の人口は、すでに日本では約7万人あり(※3)、毎年ぐんぐん増え続けています。みなさんの親戚にも100歳は珍しいとしても、90歳のおじいちゃんおばあちゃんが1人か2人はいらっしゃるのではないでしょうか。100年人生は決して絵空事ではないのです。

データ出所:

(※1)平成29年簡易生命表の概況より(厚生労働省)

(※2 )国立社会保証・人口問題研究所の人口統計資料集より

2065年の寿命予測は 男性が約85歳、女性が91.4歳で今よりも3~4年伸びている

(※3 )100歳以上の高齢者数の推移(産経新聞)