本日の注目通貨

ドル/円:110円台前半から111円まで戻す

 27日(水曜日)のドル/円は、110.55円でオープンしたあと東京時間夕方までに110.35円まで下げましたが、NY時間には前日の高値(111.08円)と同水準の111.07円まで大きく反発しました。

 朝鮮半島の非核化が主要目的としてベトナムのハノイで行われている米朝首脳会談。リスクオフでないことは確かですが、かといってリスクオンというほどの成果は期待できない。というのがマーケットの見方です。日本人からすると、深刻かつ重要な議題を話し合うにしてはトランプ氏はあまりにも和やかで、外交でポイントを稼いで大統領選挙に使いたいという意図が見え隠れしているようです。トランプ大統領にとって、米国にミサイルが飛んでこなければいいのか、それとも友好ムードは高等な交渉戦術なのでしょうか。両首脳は本日、合意文書に署名し発表する予定です。

 世界にとっては、米朝会談の行方よりもインドとパキスタンの軍事的緊張の方がはるかに懸念となっています。過去に何度も戦争を起こしている歴史があり、しかも核保有国同士であるだけに、軍事行動のエスカレーションはリスクオフであり、安全資産としての円が買われる動きにつながりやすくなります。

 米中貿易交渉を巡ってはライトハイザー米通商代表部(USTR)が「交渉の結果を期待するのはまだ早い」、「中国が輸入拡大するだけでは不十分」だと発言しています。リスクオンの希望だった米中貿易交渉の結果が不透明になったことも、ドル/円の上昇力を鈍らせることになるでしょう。

 また、トランプ大統領の元顧問弁護士であるマイケル・コーエン被告が「トランプ氏は人種差別主義者」と議会証言したことや、イエレン前議長の「経済政策をわかっていない」、パウエルFRB議長が経済政策の効果に疑問を呈したことなど、トランプ大統領に対する批判が増えているのも気になります。

出所:MarketSpeed FXより、楽天証券作成
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