正常化プロセスは道半ば。終了へ舵を切るか

 1月29~30日に開催されたFOMC(米連邦公開市場委員会)では、予想よりも一歩踏み込んだ内容となりました。

 昨年2018年12月のFOMC後の記者会見でFRB(米連邦準備制度理事会)のパウエル議長は、「米経済は好調で、2019年も2回の利上げが適切」「資産縮小も見直す予定はない」と強気姿勢を貫きました。

 しかし、その後の株価急落や世界景気の減速懸念を受けて、今年に入って引き締め姿勢は大きく後退。他のFRB高官なども柔軟姿勢をにじませていたことから、1月のFOMCでは、かなり柔軟な姿勢転換になると予想されていました。ところが、さらに一歩踏み込んだ、金融政策正常化プロセスの終了をほのめかす内容でした。

 その内容とは、次の通りです。

(1)利上げシナリオを正当化する声明文の定番であった「段階的な政策金利の引き上げが正当化される」という文言を削除し、新たに「委員会は今後の政策金利の調整に忍耐強くなる」との文言を挿入しました。記者会見で「利上げ局面は終了か」との質問に、パウエル議長はその可能性を否定しなかった

(2)2017年秋から保有資産の量を減らしてきた「量的引き締め」について、「修正する用意がある」と明言

 つまり、今後の利上げについては様子見となり、資産縮小については、停止時期やペースの鈍化を検討することとなったわけです。

 2008年のリーマン・ショック以降のゼロ金利と量的緩和によって膨張した保有資産を、2015年の利上げ開始、2017年の保有資産の量的引き締めによって正常に戻すプロセスが進んできましたが、この正常化プロセスが終了する可能性が出てきたわけです。

 正常化プロセスの終了とはこれまでの引き締め政策を一時停止することであり、FRBの政策大転換となります。

 金融市場では、株高、金利安、ドル安に作用します。

 1月30日のFOMCの結果を受けて、長期金利は低下し、米株は一時500ドルを超える上昇となり、ドル/円は109円台後半から108円台後半のドル安となりました。昨年2月にパウエル氏が議長に就任してから、記者会見の当日の米国株が上昇して終えるのは初めてだったということです。市場はパウエル議長を「市場の味方」と位置付けたようです。