前回のコンセンサス予想(日本時間12月11日時点)と直近のコンセンサス予想(2月4日時点)を比べると、以下になります。iPhoneの苦戦を受けて、2019年9月期のEPSは2%減となる見通しですが、その後は2桁の増益基調が期待されています。
アップルのコンセンサス予想推移
・日本時間12月11日時点(予想PER含む)
・日本時間2月4日時点
今回のアップルの決算ポイントは次の2つです。
- iPhoneの苦戦地域は中華圏(中国、香港、台湾を含む)と日本
- サービス事業は拡大、中華圏でも需要取り込む
1.iPhoneの苦戦地域は中華圏と日本
iPhoneの買い替え需要は当初の会社想定を下回りました。地域別では、中国を中心とした新興国と日本で苦戦したもようです。
中華圏と新興国については、当該地域のマクロ環境が当初想定を下回る中、ドル高が実質購入価格の上昇につながってしまいました。
日本については、携帯キャリアによる購入時の割引や補助が減ったことが向かい風となりました。アップルは、割引・補助を受けて販売されたiPhoneが、1年前は4分の3を占めていましたが、今回は半分以下だったと推定しています。
アップルの地域別売上高推移
2.サービス事業は拡大、中華圏でも需要取り込む
一方、サービス事業は前年同期比19.1%増と堅調です。
アップルの事業別売上高推移
同事業はさまざまなサービスで構成されていますが、今回、会社側はキーとなる数字を公開しました。
- インストール済みアクティブ端末の数…14億台、12カ月間で1億台増加
- インストール済みiPhoneの数…9億台以上、12カ月間で7,500万台増加
この大規模なインストール台数が同社のサービス事業の基盤となりますが、会社側は、インストール済み端末のうち有料サービス利用の割合がとても力強く伸びていると述べています。
なお、主要サービスの動向については以下の通りコメントしています。
- iTunes Store…音楽系売上高が過去最高。Apple Musicの有料定期利用者数は5,000万以上
- Apple Pay…処理数18億件以上(2018年10-12月期)、前年同期比で2倍以上拡大
- Cloud Service…売上高成長率(前年同期比)40%以上(2018年10-12月期)
iPhoneで苦戦した中華圏ですが、サービス事業は2018年12月に過去最高の売上高を達成しました。現地ではウエアラブル端末の売上高が50%増加した他、中国でMacやiPad を買った顧客のうち3分の2が初回購入であるなど、サービス事業の基盤となるインストール済み端末の広がりが見受けられます。
会社側はサービス事業の売上高を、2020年までに、2016年9月期比2倍にする目標を立てていますが、以下の通り進捗していることから達成の可能性は高いと考えられます。