45歳は老後のことを考えるのには遅すぎる?そんなことはありません
老後を20歳から考える人はほとんどいません。現実問題として考えればビジネスキャリアが確立していないし、結婚や子どもが生まれるといった家族設計の可能性も未知数です。家を買うこともピンときていない人が、老後の安心のため、iDeCo(イデコ:個人型確定拠出年金)で満額積み立てているというのは、なかなかないものです。
一方で、いつまでも無関心というのも困ります。45歳の誕生日に「おまえもアラフィフ(50代周辺)の仲間入りだぜ」と友人にからかわれたら即、iDeCo口座の資料請求をしてはどうかと、私はよく説明をしています。
老後のことを真剣に考えるのに45歳という年齢はよりリアリティーが出てきます。結婚するかしないかほぼ確定しますし、子どもの人数もほぼ決まります(増えることもありますが)。将来の年収見通しも現実的に見通せるようになります。家も住宅ローンを組んだ人が多く、しっかり返済し終えることを意識します。
この時、その先の老後について考える余裕がようやく見えてきます。もし気がついたらすぐにiDeCoを実行に移さなくてはなりません。なぜならもう時間が余り残されていないからです。45歳で気がつき、実行できた人は大丈夫。それなりの安心を得ることができます。
今回は、iDeCoとNISA(少額投資非課税制度)を夫婦がともに45歳で口座開設する、「ダブルiDeCo、ダブルNISA」でどれくらい老後資金が貯まるか考えてみましょう。
45歳からスタートするならiDeCoもNISAも65歳をターゲットに
さて、今45歳、あるいはそれ以下である人にとって、一つ朗報があるとしたら「iDeCoは65歳まで積み立てできる可能性が高い」ということ。これは規制緩和の一環で法改正を検討することがすでに示唆されているからです。人生100年時代への対応としては必須であり、実現の可能性は相当高いと思われます。
雇用についても65歳定年制はほぼ実現が間違いないところです。20年前の60歳と比べて今の60歳はほとんど元気な人ばかりであり、労働力人口の減少を考えれば、企業が定年の延長に動くことは(あなたが信じられないと思っても)ほぼ確実といえます。つまり65歳までは稼ぐこともできるし、iDeCoで積み立てる枠組みもある、ということです。
そこで夫婦がともにiDeCoを開設したとします。仮に積立期間は45歳から20年として、企業年金のない会社員であったという前提で2.3万円/月ずつ積み立てを行います。
NISAについては、つみたてNISAを活用し、年40万円をフルで積み立てるものとします。実際にはボーナス増額を活用し、毎月の積み立て額を減らしても構いません。
さて、65歳でどれくらい確保できるでしょうか。