世界注目の2019年10大サプライズ予測とは?
前回は、政治リスク分析の専門家によるグローバル・リスクを中心とした「世界10大リスク」のお話をしました。今回は、経済・金融の専門家による「世界10大予想」の中から、このコラム毎年恒例のバイロン・ウィーン氏「サプライズ10大予想」をご紹介します。
年末年初になると、エコノミストや銀行・証券会社から経済や金融の予想が出てきます。中でも米ウォール街で注目されているのが、ウォール街のご意見番、米投資会社ブラックストーン社のバイロン・ウィーン氏による「サプライズ10大予想」です。今年で1986年以来34回目となる年始恒例の予想です。同氏は「サプライズ」の定義として、「平均的な投資家が発生確率を3分の1程度とみているイベントを、私が50%以上で起こると信じている出来事」と説明しています。
2018年予想・答え合わせ
昨年2018年の同氏の予想では「米成長率が3%を超え、4%に迫る経済成長によってS&P500種株価指数は年末に株高となり、3,000に上昇」と強気の予想でした。
しかし、経済成長は4%を超える局面もありましたが、S&P500は秋に3,000に迫る動きがあったものの、その後利上げの影響を受けて年末に向け2,500近辺に下落しました。
また「FRB(米連邦準備制度理事会)の利上げは年4回、物価は3%を超え、米10年債利回りは4%」との予想は、利上げ回数は的中しましたが、物価や金利はその水準までは及びませんでした。
ドルについては、ドル高を予想し「ユーロ/ドルは1.10、ドル/円は120円へ」と予想しました。ドル高は的中し、ユーロも1.12台まで下落したものの、ドル/円は114円台半ばまでしかドル高は進みませんでした。
予想の大部分は当たらないことが多いのですが、ウォール街のご意見番がどのように考えているのかを知ることはシナリオを想定する際に役に立ちます。自分の相場観と照らし合わせて、サプライズかそうでないか見極めることもできるのです。
毎年強気の予想ですが、さて、今年はどのような予想を立てているのでしょうか。