7月にCPI上昇率が減速、食品価格の下落とサービス価格の上昇が鮮明

 中国の消費者物価指数(CPI)は2017年7月に前年同月比1.4%上昇し、5月、6月の同1.5%から小幅の減速傾向を示した。前月比では0.1%の上昇率となり、6月の同0.2%の下落から上向きに転じた。1-7月のCPI上昇率はこれで、前年同期比1.4%。16年1-7月期の同2.1%から減速している。

 食品価格は1-7月に前年同期比1.9%低下したものの、1-6月の同2.1%に比べて下落ペースが縮小した。うち生鮮野菜価格は6月に前月比1.3%下落した後、7月には同7%高となったが、豚肉、鶏卵価格の低迷が食品価格全体の重しとなった形。豚肉、鶏卵価格は6月に前年同月比16.7%、9.3%値下がりした後、7月も同15.5%、4.9%下げるなど、明らかに下落サイクルが続いた。うち豚肉価格の前月比での下落率は0.7%。5月の同2.9%、6月の同3.4%から下げ止まったとはいえ、引き続き下落基調が続いた。

 対照的に、サービス価格は価格規制の撤廃や人件費高騰を受けて上昇しており、5月、6月に前年同月比2.9%、3.0%値上がりした後、7月も同2.9%の上昇率を示した。政府当局がサービス部門の価格システムに関して規制緩和・撤廃を進める中、価格上昇圧力が続いている状況。うち医療、教育、旅行・観光、家事サービスの7月の価格指標は、前年同月比で順に5.5%、3.3%、3.2%、4.2%上昇した。6月にはそれぞれ同5.7%、3.2%、3.7%、4.3%の上昇率だった。

 BOCIはこの先短期的に、農産物価格のデフレ圧力が続くと予想。国内価格が国際価格を大きく上回ることをその理由に挙げた。半面、サービス価格については中期的に上昇傾向が続くとみている。その結果、17年下期には、CPI上昇率が小幅に加速すると予想。17年、18年通年の予想上昇率を1.6%、2.0%に据え置いている。

 一方、生産者物価に目を向けると、工場渡し価格(PEFPI)の上昇率は7月に前年同月比5.5%と、5月、6月並みだった。生産者購買価格指数(PPPI)上昇率は同7%で、5月の同8%、6月の同7.3%から減速した。前月比で見ると、PEFPIは0.2%高で、PPPIは横ばい。6月にはそれぞれ0.2%、0.4%下落していた。前月比での生産者物価の持ち直しは主に、鉄鋼の供給減と価格上昇が背景。7月には鉄金属価格、鉄加工価格が前月比で0. 8%高、2.7%高。6月の同3.8%下落、0.4%高から明らかに上向いた。

 BOCIは国内経済の回復の勢いが弱まっていることや前年実績の変動により、下期には生産者物価の上昇ペースが減速するとの見方。17年のPEFPI上昇率に関する予想値を前年比4.8%に据え置いている。