ドル/円は、111円台目前に迫りながら、FOMC議事録後に急落。FOMCメンバーがインフレ見通しに弱気で、年内の再利上げの期待がしぼんだことが理由のひとつです。

 地政学リスクはいったん後退したものの、白人至上主義をめぐる衝突でトランプ大統領の対応に非難が集まり、経済政策助言機関が解散するなど、米国では政権の不安定化が続いています。これもドルにとってはマイナス材料といえます。

デイリーピボット

 デイリーピボットは、先週のレンジを元に、今日のレンジを予想するテクニカル指標です。今持っているポジションの利確や損切りレベルの参考として、あるいは新しいトレードのエントリーポイントとして、FXマーケットでも多くのトレーダーが利用しています。

 今週のドル/円のピボット・ポイントは、110.39円です。
ピボットとは「回転軸」という意味で、このレベルを相場の強気と弱気の転換点と考えます。レートがピボット・ポイントより下で取引されているときは、ドル/円の相場はどちらかというと弱気に向いていると考えられます。

 今日の上値ライン(レジスタンス)は、110.75円、111.31円、下値ライン(サポート)は109.83円、109.47円です。昨日の高値は110.94円、安値は110.03円でした。

 


ピボットの計算とトレードアイデア

ピボット・ポイントは、前日の高値と安値と終値を平均して求めます。このレベルを相場の強気と弱気の転換点と考えます。

このピボットに、ピボットから前日の安値までの値幅を足したレベルが、第1レジスタンス(R1)になります。前日下げた幅と同じ程度の反発はあるだろうと仮定して、そこを最初の上値メドと考えます。

第1サポート(S1)は、ピボットから前日の高値からピボットまでの値幅を引いたレベルです。前日上げた幅と同じ程度の反落はあるだろうと仮定して、そこを最初の下値メドにしています。


ピボットでは、今日の相場は、おおよそ、これらのレジスタンスとサポートのレンジ内で推移するだろうと考えます。しかし、それ以上に相場が大きく動くこともあります。

そこで、ピボットには、HBO(上値ブレークアウト)とLBO(下値ブレークアウト)と呼ばれるレベルが設定されていて、この水準を越えて相場が動いた場合には、新しいトレンドが始まったとみなします。

下の図のように、たとえば、HBOをストップに、第1、第2レジスタンスで売り上がる、あるいは、LBOをストップに、第1、第2サポートまで買い下がる、といったようなトレードが考えられます。これはあくまでも一例であって、決して利益を保証するものではありません。トレードは自己責任でお願いいたします。