平成20(2008)年・東証1部時価総額ランキング

注:東証1部の現上場銘柄のみ。社名は現社名

 時価総額トップはトヨタ自動車に。ここから平成最後まで、トヨタが日本株市場の「不動の4番」的存在として君臨します。

 2位はNTTドコモとで、親会社NTTの時価総額との逆転現象が生じていますね。これも平成最後まで解消されていません。

 17位のパナソニック。これまでの松下電器産業からブランド名「パナソニック」に商号変更したのもこの年でした。

 平成20年はマーケットにとって、大きな歴史の1ページとなった年。9月にリーマン・ブラザーズがチャプター11(日本の民事再生法に相当)を申請、リーマン・ショックに株式市場はパニックとなりました。

 原油市場では、この年に付けたWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)原油(原油価格の代表的な指標)の史上最高値1バレル=147ドルを現在なお超えられていません。

 ある市場関係者は「10兆円銘柄がトヨタだけ。リーマン・ショックの真っただ中で、日経平均株価のバブル崩壊後の最安値(7021.28円)は翌年2009年3月につけている。時価総額が軒並み減ったのも仕方ないね」とコメントしていました。

 日本では「グ~」が流行語でしたが、米国では11月に誕生した新大統領オバマの発する「Change」に熱狂。そんな中、その後の「Game Change」の起爆剤となる出来事が通信業界で起きました。この年の時価総額は1.7兆円のためランク外だったソフトバンク。ソフトバンクがこの年、米アップル製のスマートフォン「iPhone3G」の販売を開始します。

 孫社長はこの時「ケータイがインターネットマシンになる歴史的な記念日」と発言。ここから平成30年までの残り10年は、ソフトバンクが株式市場の主役でもあり、この時日本に初上陸したiPhoneが世界の産業の中心となりました。それからまだ10年なんですね、日本人がiPhoneを利用し始めて。日本上陸10年目の今年(2018年)10月、アップルは233ドル台の史上最高値をつけました。時価総額は日本円にして100兆円超え! そして、目下で曲がり角へ?