2019年は景気停滞?あるいは、後退?

 2019年の世界景気は、どの程度減速するでしょうか?「景気停滞」程度ならば、現在の日経平均は、すでに売られ過ぎと考えます。ただし「景気後退」まであり得るならば、日経平均は2万円割れもあると考えます。

 2019年の世界景気が停滞か後退か、そこを見極めようと、株式市場は手探りしている状態です。

日経平均株価と、日本の景気循環:1999年1月~2018年12月(11日まで)

出所:景気後退期・拡大期の認定は内閣府、景気停滞期の判断は楽天証券

 上のグラフを見ると、ITバブル崩壊による景気後退(2000年11月~2002年1月)、リーマン・ショック前後の景気後退(2008年2月~2009年3月)では、景気がピークアウトする半年~1年前に、日経平均はピークアウトしています。

 上のグラフでさらに注目したいのは、赤で「景気停滞」と書いたところです。3カ所あります。2004年7~12月の景気停滞(「景気踊り場」と呼ばれる)、2014年4月~9月の景気停滞(消費税引き上げ後の停滞)と、2015年10月~2016年3月の景気停滞(資源安ショック)です。3回の景気停滞期でも、日経平均は数カ月早くピークアウトしています。当時は「いよいよ景気後退期に向かう」と不安が広がっていました。ところが後から振り返れば、景気後退に至らず景気は盛り返しました。日経平均は、景気が踊り場を脱け出したところから上昇に転じています。

 

2019年の日経平均:前半低迷、年後半に上昇と予想

 2019年の日経平均は「年前半、景気減速を織り込んで低迷。年後半に2020年の景気回復を織り込んで反発」と予想しています。

 私は、「2019年の半ばに世界景気は停滞または後退局面に入るが、2020年に再び拡大局面に戻る」と見ています。その通りならば、日経平均は2019年前半に低迷、後半回復となるでしょう。

 景気は循環します。景気拡大はいつまでも続きませんが、景気後退・停滞もいつまでも続きません。近年の景気後退・停滞は、1年未満が多くなっています。2019年に停滞、20年に回復が、私が今考えているメインシナリオです。

 

 

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