米国市場の「VIXショック」にはデジャヴ感あり

 10月10日以降の米国株急落を受けた市場心理悪化にリスクオフ(回避)の円買いが加わり、日経平均株価は大幅下落を余儀なくされました。今回の米国株急落は、2月初旬に見られた事象と同様、米長期金利上昇を契機としたボラティリティ上昇で「リスクパリティ戦略」と呼ばれるアルゴリズム(機械的)取引が売りを加速させたことが要因とされます。

リスクオフとは≫≫

 米国株急落と為替の円高を受け、東京市場でも外国人投資家を中心とした短期筋の先物売りが先行。日経平均は10月2日の高値から15日まで約1,999円下落しました。ただ、2月の株価急落時に米国の恐怖指数(VIX:投資家の株価変動率予想を示す)は一時50.3%に上昇しましたが、今回の同指数上昇は28.8(10月12日)でピークアウトし、その後17.4に低下しました(17日)。

恐怖指数とは≫≫

 経験則によれば「恐怖指数が大きく上昇した局面(株価が急落した局面)は米国株投資の好機だった」ことも知られています。2月の株価急落時と異なるのは、中間選挙(11月6日)を控える中、米長期金利が当時より切り上がってきた点です。

 日経平均は、値幅的な調整に一巡感がありますが、200日移動平均線(2万2,502円)前後で下値を固める日柄調整を要する可能性もあります(図表1)。

 米国株が底入れを鮮明にし、ドル/円が落ち着きを取り戻せば、日経平均は徐々に戻りを試していく動きとなりそうです。

図表1:米国市場の「恐怖指数」にピークアウトの兆し

注:恐怖指数=CBOE S&P500 Volatility Index (VIX)
出所:Bloombergのデータより楽天証券経済研究所作成(10月17日)