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トランプ政権1か月の成績

2017/2/22
2月20日でトランプ大統領就任1か月が経ちました。トランプ大統領は、18日のフロリダ州の集会で「米国を再び偉大にするため、とてつもない進展があった」と演説をしました。確かに株は昨年の大統領選挙の勝利以降であれば、2,300ドル近く、約12%上昇しています(2016年11月8日終値18,332.74ドル→2017年2月17日終値20,624.05ドル)。
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2月20日でトランプ大統領就任1か月が経ちました。トランプ大統領は、18日のフロリダ州の集会で「米国を再び偉大にするため、とてつもない進展があった」と演説をしました。確かに株は昨年の大統領選挙の勝利以降であれば、2,300ドル近く、約12%上昇しています(2016年11月8日終値18,332.74ドル→2017年2月17日終値20,624.05ドル)。トランプラリーと呼ばれる凄まじい上昇でしたが、トランプ大統領はメディアが全く株高のことに触れないことに不満のようです。そのため、自画自賛の演説となったようです。

株式市場では「すさまじい進展」がありましたが、就任後の1か月はどのような成果だったのでしょうか。今後の相場シナリオを考えていく上で参考になるため、以下の通りまとめてみました。

(1)金融・株式市場→トランプラリーですさまじい進展

  • 減税とインフラ投資、規制緩和の政策期待から、株は選挙勝利後10%超の上昇、就任後も上昇し、7連続営業日で最高値を更新
  • 金利もドルも高くなったが、企業や家計への影響はまだ表れていない状況
  • FRBイエメン議長は14日の米議会証言で、政策遂行のための財政拡大は、財政赤字が拡大し持続可能ではないと、一段の財政悪化に警鐘を鳴らした

(2)「100日計画」の公約→公約60項目中、実現は6項目

  • 20以上の大統領令に署名したが、公約60項目中実現したのは、TPPからの離脱表明、連邦最高裁判事の指名、パイプライン建設の推進許可などの6項目
  • メキシコ国境での壁建設や医療保険制度「オバマケア」撤廃などは着手した段階に過ぎず、今後は議会との調整も必要でありハードルは高いとの見方も
  • 金融規制緩和は大統領令によって指示を出したが、減税やインフラ投資についてはいまだスケジュールや具体的な内容は見えていない状況。トランプ大統領は2月10日に減税について「2、3週間以内に税に関する驚くべき発表をする」と予告

(3)移民政策→不法移民対策や7か国入国禁止の大統領令で移民に対して厳しい対応

  • イスラム圏7か国(イラン 、イラク、リビア、ソマリア、スーダン、シリア、イエメン)の国民の入国を大統領で制限したが、裁判所は大統領令の効力を差し止めている状況。一方で国民からは一定の理解を得ており、ロイターの世論調査では、入国制限の大統領令に「賛成」が49%で、「反対」の41%上回った
  • この7か国からの入国者の中にはテロの恐れがあるとの判断だが、9・11同時多発テロの実行者はサウジアラビアのパスポートを所持していたにもかかわらず、今回の大統領令ではサウジアラビアは含まれていない
  • 移民・関税執行局(ICE)は、2月上旬の全米一斉摘発で680人以上を拘束。ロサンゼルス・タイムズによると、約1,100万人とされる不法移民の内800万人が送還対象になると分析
  • イエレン議長は14日の議会諸言で「移民は労働力拡大の源泉。移民を制限すれば米経済も減速する」と指摘し、移民政策にも注文

(4)メディア戦略→就任後もツィッターを積極的に活用し、大手メディアとは対立姿勢継続

  • 17日のツィッターでも「フェイク(嘘)ニュースメディアは米国民の敵だ」と、ニューヨーク・タイムズ、NBC、ABC、CBS、CNNニュースなど米国を代表するメディアを名指しで批判

(5)政権管理能力→更迭、閣僚就任遅延、指名辞退と政権運営混乱

  • 外交・安全保障政策の要であるマイケル・フリン国家安全保障保担当大統領補佐官を駐米ロシア大使との密約疑惑で更迭
  • トランプ大統領が指名した15人の閣僚の内、上院に承認されたのは9人と異例の遅さ、指名されても辞退する人も
  • 閣僚承認が遅れれば、副長官、次官、次官補など、予算や政策の立案・調整に必要な高官ポストが決まるのが遅れ、決まるのは夏以降との見方も浮上

(6)外交方針→選挙中よりは比較的慎重姿勢だが方針は不安定、不安材料も

主要国との外交方針

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以上をまとめますと、1か月経ったトランプ政権は、公約の実現はまだ少なく、内政では7か国の入国制限で頓挫した状況であり、大統領令によって政策を推し進めるやり方にも限界が見え始めています。この移民問題やロシアとの密約疑惑によって、与党共和党とぎくしゃくした関係になれば、「驚くべき税制」の提案も難航する可能性があります。また閣僚承認の遅れは、各省庁の主要ポストが埋まらず、予算の立案なども後倒しになる可能性があります。今月28日にトランプ大統領の所信表明の演説が予定されており、その後予算教書の暫定版、5月頃には予算教書の詳細版が議会に提出される予定となっています。そして7月の終わりには減税やインフラ投資の立法化との見方が大勢のようですが、これらのスケジュールが遅れれば遅れる程、政策への期待が萎んでいく可能性があります。トランプ政権の政策期待で最高値を更新したNYダウにも、期待を維持できなければ影響を与えることになります。企業業績や経済指標にも目が離せませんが、トランプ政権の運営能力や議会対策にもますますマーケットの注目度が高まりそうです。

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