今週は、円安基調を背景に年初来高値を更新し、2万4,000円台で引ける

 先週の日経平均株価は、予想していた米中貿易摩擦は気にされず、「円安」、「安倍首相の自民党総裁3選で日本政治の安定からの外国人買い」、「需給(先週はコールの権利行使価格2万4,250円が大量に溜まっており、コールの売り方の買い戻しに迫られ、日経平均は週末2万4,286円の高値をつけた)」により、3週連続の上昇となりました。

 9月25日(火)は、日米首脳会談を控えもみあいの中、9月決算銘柄の権利付き最終売買日にあたることから、配当取りの買いが入って下値を支えました(+70円の2万3,940円と7日続伸。

 26日(水)は、朝方は9月期決算企業の配当落ち(160円相当)の影響で▲93円で寄り付き、その直後に▲106円の2万3,833円まで下げました。しかし、上海株式の上昇が下支えとなり、すぐに配当落ち分を埋めて、引けは+93円の2万4,033円と8日続伸。8カ月ぶりに2万4,000円台を回復しました。

 27日(木)は、前日の米国市場でFOMC(米連邦公開市場委員会)が想定通り9月の利上げ発表をしました。しかし声明の中から「引き続いて穏やかな利上げ」という部分が削除されたことで、利上げ方針が終わりに近づいているという思惑が浮上し、ドルが売られ主要株価指数がそろって下落。これを受けて日経平均は▲87円で寄り付いた後、下げ幅を拡大。後場は一時▲255円の2万3,778円まで下げ、終値は▲237円の2万3,796円と9日ぶりの反落となりました。 

 しかし、週末の28日(金)は、前日の米国市場で3指標そろって反発。為替も好調な経済指標を受けて1ドル=113円台半ばへの円安進行となったことで+283円の2万4,080円で寄り付き、日米金利差拡大期待からのさらなる円安から、後場は+489円の2万4,286円(コールの売り方の買い戻し中心で上昇に勢いがついた)まで上昇。週の大引けは+323円の2万4,120円となりました。ザラ場では今年の1月23日の年初来高値2万4,129円を更新しましたが、終値では突破できませんでした。

 28日(金)の米国市場は、ほぼ3指標とも横ばいでした。欧州株安を受けて軟調スタートとなるも、主要3指標はほぼ変わらずでした。9月期末(四半期)での終値で見ると、NYダウ+9.11%(2017年第4四半期以来の大幅高)、ナスダックは貿易摩擦が重しとなったにも関わらず、+7.14%(2017年第1四半期以来の大幅高)、S&Pも四半期で2013年以来の大幅高となりました。NYダウは+18ドルの2万6,458ドルでした。シカゴの日経先物は+20円の2万4,150円となっています。

 

今週は、2万4,000~2万4,500円の中で、2万4,000円台値固め。ただし、貿易摩擦は注意

 上昇スピードと年初来高値を更新したことからいえば、いつ、いったん調整してもおかしくないところですが、目先の上昇は円安基調が続いており、業績上方修正期待もあって輸出関連株中心に買われています。

 そのため今週も米国株式が堅調で円安基調であれば、年初来高値(1月23日の2万4,129円)を上回ればここから上は真空地帯ですので、米国株高、円安は日経平均をサポートすることになります。ただし、米中貿易摩擦の激化は続いておりますので、何かきっかけがあればスピード調整の可能性があってもおかしくないところということになります。

 ここから買って多少、上昇しても利益をとるのは知れていますので、基本的には利食い優先で下げるのを待つスタンスがよいと思われます。NYダウの上値は2万7,000ドル台と思われますので、NYダウからみるともう少し日経平均は上昇余地がありますが注意が必要です。

 10月1日は、円安・ドル高基調と米国での時間外取引で株価先物が堅調であったことで+53円の2万4,173円で寄り付き、一時+186円の2万4,306円まで上昇しましたが、その後は高値圏での推移となり、大引けは+125円の2万4,245円で引けました。目先の上値は2万4,500円がフシとなります。

 

(指標)日経平均

 今週は、終値で1月23日の2万4,129円を上回り、9月28日の2万4,280円の上ヒゲを埋める動きとなるのかどうかが焦点となります。円安傾向が追い風になる一方で、9月中旬から急上昇した反動でいったん調整してもおかしくないところです。

 日米の経済統計が注目されます。特に週末の9月米国雇用統計が予想を上回ってドル買い・円売りが進めば輸出関連株中心に日経平均は上昇することになります。一方で米中貿易摩擦の激化が懸念され、さらにエスカレートすると調整のきっかけとなります。

 

(指標)NYダウ

 今週もトランプ政権の通商政策に注視となります。中国とカナダとの貿易摩擦が深刻化する中、11月6日の中間選挙が近づいており、さらに強靭な姿勢をとって米国の赤字削減を国民にアピールする可能性があります。

 そうなると来週から米国企業の7~9月期決算発表が本格化しますが、貿易摩擦の長期化を背景に業績予想が慎重になれば株価の上昇力が鈍ることになります。一方で、法人税減税の効果が企業業績をサポートすることになり、調整はあっても上値はまだあるということになります。今週は高値圏でのもみあいが想定されます。

 

(指標)ドル/円

 今週は、10月5日(金)の9月雇用統計が注目されます。雇用情勢の改善が進んでいるとの見方が多く、そうだとすれば雇用統計の結果が良好となってドルが買われることになります。目先のチャートでは、1ドル=114円水準は上値抵抗ゾーンとなるところですが、雇用統計の結果がよければ突破できる可能性もあります。今週のレンジは112.5~114.5円を想定。