実態は「日経平均株価主導」の株価上昇

 上記をまとめると、3つの株価指数のうち、最も強いのが日経平均株価、ついでTOPIX、最も弱いのがマザーズ指数となっています。

 一般的に、日本株全体の動きをより実態に近い形で表すのは、225銘柄で構成されている日経平均株価ではなく、東証1部全銘柄で構成されているTOPIXであると言われています。

 ということは、現状の日本株の実態は、日経平均株価主導の株価上昇である、ということができます。

 日経平均株価には先物もあり、これを売買する投資家も数多くいます。特に資金量が膨大な投資家やヘッジファンドが日本株を買い上げるときは、現物ではなく、まず日経平均先物を買うことが多いのです。今回の上昇も、日経平均先物に大量の買いが入ったためと考えられます。

 ですから、今後先物だけではなく個別銘柄にも資金が流入してくれば、出遅れているTOPIXや個別銘柄も大きく上昇するでしょう。でも、現段階ではそこまでの状況にはなっていません。

 

あくまでも強い銘柄についていく

 これらから考えられる当面の戦略としては、「あくまでも強い銘柄についていく」ということです。

 個別銘柄を見ると、強い銘柄、弱い銘柄とまちまちの動きとなっています。9月14日には年初来高値更新銘柄が51ある一方、年初来安値更新銘柄も26ありました。9月12日には年初来安値更新銘柄は287にも達していたのです。

 いくら日経平均株価が上昇しても、弱い銘柄もまだまだ数多くあります。そうした銘柄に対して「ここから株価が上昇する」と予想して買っていくのはお勧めしません。

 現時点ですでに上昇トレンドになっている銘柄を買うべきですし、上昇トレンドが続く限りは保有を続けて利益を伸ばしていくべきです。

 逆に、現時点で下降トレンドにある銘柄は、上昇トレンドになってから買うようにすればよいでしょう。

 筆者が一番言いたいことは、「日経平均株価が高値を更新しても、個別銘柄も同じような動きをするとは限らない」という点です。

 日経平均株価が上昇トレンドであれば個別銘柄も上昇しやすいのは確かですが、それは全体的な傾向としての意味合いです。あくまでも日経平均株価の動きではなく個別銘柄の動きを見て、上昇トレンドの銘柄のみを手掛けるようにしましょう。