ついに日経平均株価が「2万3,000円の壁」を突破してきました。これを受けて、ここから日本株に対してどのような戦略を取るべきか、筆者の考え方をお話したいと思います。
日経平均株価・「4度目の正直」で壁突破
2018年に入ってからの日本株は、非常に難しい環境でした。日経平均株価は1月23日に2万4,129円34銭高値を付けた後反落し、3月26日に2万347円49銭の安値をつけるまで、2カ月で4,000円近く値を下げました。
その後、反発に転じるものの、5月21日につけた2万3,050円39銭の戻り高値をその後、超えられずにいました。
5月21日以降の戻り高値は次のようになっています。
- 5月21日 2万3,050円39銭
- 6月12日 2万3,011円57銭
- 7月18日 2万2,949円32銭
- 8月30日 2万3,032円17銭
- 9月14日 2万3,105円28銭
このように、6月、7月、8月と5月21日の戻り高値にチャレンジしたものの、ことごとく跳ね返されていたのが分かると思います。
そしてついに、9月14日に2万3,105円28銭まで上昇し、5月21日の戻り高値を超えたのです。
これまで跳ね返されてきた戻り高値を抜けたということは、それだけ強い買いが入ったことを表します。そのため、ここからさらなる株価上昇が期待できます。
日経平均株価以外の株価指数はどうなっているの?
ただ、これはあくまでも日経平均株価に限った話です。日経平均株価と並んで日本株の状況を表す株価指数のTOPIX(東証株価指数)の動きを見ると、日経平均株価とはだいぶ様相が異なります。
TOPIXの5月21日の戻り高値は、1819.74ポイントです。そして9月14日の高値は1730.27ポイントです。
5月21日より、9月14日の方がだいぶ低いことが分かります。
日経平均株価は5月21日の高値を9月14日に上回りました。でもTOPIXは5月21日の高値に大きく後れを取っている、これが実態なのです。
さらに、新興市場銘柄の動きの指標となるマザーズ指数を見ると、5月23日の戻り高値1184.78ポイントに対し9月14日は1018.43ポイントとなっていて、14%も低い水準にとどまっています。
実態は「日経平均株価主導」の株価上昇
上記をまとめると、3つの株価指数のうち、最も強いのが日経平均株価、ついでTOPIX、最も弱いのがマザーズ指数となっています。
一般的に、日本株全体の動きをより実態に近い形で表すのは、225銘柄で構成されている日経平均株価ではなく、東証1部全銘柄で構成されているTOPIXであると言われています。
ということは、現状の日本株の実態は、日経平均株価主導の株価上昇である、ということができます。
日経平均株価には先物もあり、これを売買する投資家も数多くいます。特に資金量が膨大な投資家やヘッジファンドが日本株を買い上げるときは、現物ではなく、まず日経平均先物を買うことが多いのです。今回の上昇も、日経平均先物に大量の買いが入ったためと考えられます。
ですから、今後先物だけではなく個別銘柄にも資金が流入してくれば、出遅れているTOPIXや個別銘柄も大きく上昇するでしょう。でも、現段階ではそこまでの状況にはなっていません。
あくまでも強い銘柄についていく
これらから考えられる当面の戦略としては、「あくまでも強い銘柄についていく」ということです。
個別銘柄を見ると、強い銘柄、弱い銘柄とまちまちの動きとなっています。9月14日には年初来高値更新銘柄が51ある一方、年初来安値更新銘柄も26ありました。9月12日には年初来安値更新銘柄は287にも達していたのです。
いくら日経平均株価が上昇しても、弱い銘柄もまだまだ数多くあります。そうした銘柄に対して「ここから株価が上昇する」と予想して買っていくのはお勧めしません。
現時点ですでに上昇トレンドになっている銘柄を買うべきですし、上昇トレンドが続く限りは保有を続けて利益を伸ばしていくべきです。
逆に、現時点で下降トレンドにある銘柄は、上昇トレンドになってから買うようにすればよいでしょう。
筆者が一番言いたいことは、「日経平均株価が高値を更新しても、個別銘柄も同じような動きをするとは限らない」という点です。
日経平均株価が上昇トレンドであれば個別銘柄も上昇しやすいのは確かですが、それは全体的な傾向としての意味合いです。あくまでも日経平均株価の動きではなく個別銘柄の動きを見て、上昇トレンドの銘柄のみを手掛けるようにしましょう。
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