為替市場は模様眺め
為替市場は模様眺めが続いている。中国製品に対する2,000億ドルの追加関税が今週発動されるという観測や、米国とカナダのNAFTA(北米自由貿易協定)の再交渉の行方が不透明なことから、動けないのである。株式市場は「米中貿易戦争は米国の勝ち!」という楽観で上昇基調にある。しかし、為替市場は「貿易戦争の裏側には通貨戦争が用意されている」ため、ドル安への漠たる不安がぬぐいきれないのである。
そうしたなか、米金利の上昇とドル高で苦境にある南アランド/円、トルコリラ/円、メキシコペソ/円などの新興国通貨の動きが軟調となっている。メキシコペソは高金利通貨の中で「勝ち組通貨」であったが、ここにきて、新興国通貨安がメキシコペソにも波及してきている。ただし、ドル/円相場はうろうろとしたレンジ相場を継続しており、ドル高・円高という本格的なリスクオン相場に発展しているわけではない。
南アランド/円(日足) 標準偏差ボラティリティトレードモデル
トルコリラ/円(日足) 標準偏差ボラティリティトレードモデル
メキシコペソ/円(日足) 標準偏差ボラティリティトレードモデル
ドル/円(日足) 標準偏差ボラティリティトレードモデル
アマゾン相場の驚異的な上昇
今週、アマゾンがアップルに続き時価総額で1兆ドル(110兆円)到達した。WSJに「赤字の本屋からの軌跡」と取り上げられていたが、アマゾンは単なる小売業者ではない。そのビジネスモデルは、他のインターネット企業にはみられないビジネスモデルであり、ウォーレン・バフェットはそれを絶賛している。