通信サービス収入の伸びがやや加速、キャリア3社のシェアに変化
中国の工業情報化部(MIIT)の月次報告書によれば、国内の通信サービス収入は18年6月に前年同月比で3.6%増加し、5月の同3.3%増から加速傾向を示した。モバイルデータ収入の回復が背景。一方、通信サービス収入の増加分に占めるキャリア3社のシェアを見ると、チャイナ・モバイル(00941)から、チャイナ・テレコム(00728)、チャイナ・ユニコム(00762)へのシフトが鮮明だった。3社の4~6月のシェアは順に、21.6%、45.9%、32.5%と、前年同期(順に64.1%、24.2%、11.7%)から大きく変化した。BOCIはキャリア3社の株価の先行きに対していずれも強気見通しを示し、引き続きチャイナ・ユニコム、チャイナ・テレコム、チャイナ・モバイルの順で選好している。
6月にはモバイルデータ収入が前年同月比10%増と、5月の11%減から回復し、通信サービス収入全体の伸びを支えた。モバイルデータサービス料金の下げ幅も同65%に縮小(5月は71%低下)。ギガバイト(GB)当たりの収入は9.3元の水準を回復した。
モバイルデータ利用量は6月に212%増と、引き続き加速傾向にあり、1人当たりの月間データ利用量も158%増の4.5GB。価格弾力性(価格の変動によって製品需要がどの程度変化するかの度合い)の回復をうかがわせた。
通信キャリア3社の18年6月中間決算あるいは4~6月期決算について、BOCIは以下の通り予想している。まずチャイナ・モバイルのサービス収入の伸びは4~6月に前年同期比1.5%に減速する見込み。4Gデータ利用料金を積極的に引き下げているチャイナ・テレコムとチャイナ・ユニコムとの競争激化が背景。同期の純利益は0.4%減の380億元にとどまる見通しという。また、6月中間決算に関してはサービス収入の同2.5%増、純利益の1.8%増を予想している。
一方、チャイナ・ユニコムの4~6月期決算については、通信サービス収入の前年同期比6.6%の伸びを予想。EBITDA(利払い・税引き・償却前益)マージンは35.6%の水準を維持し、40%の増益を達成するとみている。6月中間決算の純利益は同115%増の52億元に上る見通しという。
チャイナ・テレコムの4~6月期決算に関しては、サービス収入の前年同期比11.5%の伸びと、同4.5%の増益を見込んでいる。また、6月中間期の通信サービス収入については同7%増を予想。その理由として、モバイルサービス収入の好調と、企業による利用を受けた固定通信収入の安定推移を挙げた。中間期の純利益は5.4%増の132億1,000万元を見込む。