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6月15日に閣議決定した「経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)」において、政府は『外国人労働者』について新たな在留資格の創設に言及しました。これを受けて、政府は7月24日に『外国人労働者』の受け入れ拡大を検討する関係閣僚会議を発足させました。単純労働を含めて幅広く外国人材を受け入れる政策転換となります。企業の取り組みなど今後の動向が注目されます。
【ポイント1】『外国人労働者』の在留資格は様々
93年以来、技能実習制度は拡充が進められてきました
『外国人労働者』の在留資格には、専門的・技術的分野の在留資格、身分に基づく在留資格、技能実習、資格外在留資格などがあります。
技能実習制度は、93年に創設されました。中小企業の労働力確保の色合いが強い面がありましたが、改正などを経て、大企業も活用しやすい仕組みへの転換や実習期間の5年への延長がなされました。
【ポイント2】骨太の方針で新たな在留資格の創設に言及
建設、農業、介護、造船、宿泊の5分野以外にも対象を拡大の方向
人手不足の深刻化を受けて、政府は骨太の方針において、『外国人労働者』について、従来の在留資格に加えて、新たな在留資格の創設に言及し、最長5年の就労を認めました。
これを受けて政府は、7月24日には『外国人労働者』の受け入れ拡大を検討する関係閣僚会議を発足させました。『外国人労働者』の新たな就労資格については、一定の技能や日本語能力を条件に最長5年とし、単純労働も認めます。これにより、技能実習生については従来の5年から10年まで就労期間の延長が可能となります。
建設、農業、介護、造船、宿泊の5分野のほか、金属プレスなど一部の製造業や非製造業の外食産業も対象にする見込みです。年内には総合対策をつくり、19年4月の本格受け入れを目指します。
【今後の展開】『外国人労働者』の活用による経済への波及効果に期待
『外国人労働者』は17年には128万人となりました。これは全就労者数の2%に該当し、この5年で2倍近くに増加しています。今回の新たな在留資格創設により更に『外国人労働者』が増加するとみられます。深刻な人手不足の中、『外国人労働者』の活用が経済や企業の活性化に繋がっていくことが期待されます。