1972(昭和47)年8月2日

カシオが家庭用電卓発売、「小さく安く」に成功

 1972(昭和47)年8月2日、カシオ計算機が家庭用の電卓を発売しました。企業での使用が大半だった電卓が身近になり、爆発的に売れました。

 日本初の電卓は1964年に早川電機(現シャープ株式会社)が発売しました。1台50万円を超える企業向けの機械でした。電卓の名前の通りに卓上、つまりテーブルには乗るのですが、見た目はスーパーにあるレジ機のようです。

 その後、カシオ計算機株式会社が投入した「カシオミニ」は1万2,800円。計算を担うLSI(集積回路)やキー部分のコスト削減に成功し、低価格化が一気に進みました。6けた表示で、計算機能は加減乗除だけです。縦横7.7センチ、14.6センチ、厚さ4.2センチとコンパクトなものでした。

 大幅な値下げと「答え一発、カシオミニ」という軽快なフレーズのテレビコマーシャルが奏功して、発売から1年足らずで100万台を売り上げました。電卓は家電から文房具に変わったのです。また「小さく安く」という商品開発の方向性はカシオにとどまらず、日本製造業全体の勝ちパターンとして確立されていきます。

 

1972年8月2日の日経平均株価終値は

3,870円30銭