<今日のキーワード>
米国の企業業績見通し(S&P500指数、トムソンロイターズ予想、7月10日)を見ると、情報技術(IT)セクターは2018年1-3月期の前年同期比+36.5%から減速するものの、4-6月期は同+25.5%と二桁成長が続く見込みです。また2018年通年では前年比+22.4%と、2017年通年の同+20.9%を上回る勢いとなりそうです。こうしたIT企業の好調な決算の背景には、人工知能(『AI』)の活躍もあると言えそうです。
【ポイント1】米国のIT関連企業の決算は好調
『AI』などがけん引して売上高は高い伸び
グーグルの持ち株会社アルファベットの2018年4-6月期決算では、売上高は前年同期比+26%の約327億ドル、このうち86%を占め『AI』も活用されている広告収入は同+24%の約281億ドルと好調でした。
マイクロソフトの2018年4-6月期決算では、売上高は同+17%の約301億となりました。なかでも、『AI』の「アジュール」を活用したインテリジェント・クラウド部門は同+23%の約97億ドルとなったほか、「アジュール」関連の売上高は同+89%と、全体をけん引しました。
【ポイント2】『AI』関連のニュースを目にする機会も増加
新聞記事数は右肩上がりで増加している
各社の『AI』関連の売上高が増加しているように、IT企業同士や、IT企業とそれ以外の業界の企業との連携で『AI』を活用する事例が増えています。この動きはマスコミ等の報道が増えていることからも分かります。
例えば、⽇本経済新聞の朝⼣刊の⾒出しの数を調べると、2018年上期の『AI』関連記事数は470件と、昨年同期の437件や、3年前同期の85件と比べて増加しています。
【今後の展開】『AI』はまだまだ進化し、今後も新しいサービスがさらに身近に
幅広い企業がビジネス機会の拡大を目指して、『AI』の開発や連携を進めていますが、これによって『AI』の機能はさらに進化を遂げています。例えば、グーグルは音声アシスタント機能が電話で顧客応対をする、「コンタクトセンター『AI』」を開発しています。顧客の要望を聞いて自然に応答するだけではなく、状況に応じて人間の担当者につなぐことができるようです。このほか、マイクロソフトの「アジュール」は、企業がデータベースなどシステムに『AI』を組み込み、クラウド経由で活用する流れが広がっています。『AI』は近年飛躍的に進化しており、今後も新しいサービスなどの市場拡大を身近で体感できる機会も増えそうです。
※個別銘柄に言及していますが、当該銘柄を推奨するものではありません。