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相続税や贈与税の算定基準となる土地評価額の『路線価』。主な道路に面した標準的な宅地の1平方メートルあたりの価格のことで、毎年1月1日時点で評価され、国税庁が発表します。国や自治体が公表する土地の価格には、『路線価』の他、公示地価・基準地価や、地価LOOKレポートの地価などがあります。今年は、訪日外国人効果や企業の旺盛なオフィス需要などを背景に、全国平均では3年連続で上昇しました。
【ポイント1】2018年の『路線価』は3年連続で上昇
都道府県庁所在都市の最高『路線価』は多くの中核都市で上昇
7月2日、国税庁から2018年の『路線価』が発表されました。今年の全国平均価格は前年比+0.7%と、3年連続で上昇しました。
東京の前年比+4.0%をはじめ、『路線価』が上昇した都道府県は前年の13から18に増加しました。都道府県庁所在地の最高『路線価』を前年と比べると、大半の地点で上昇ないし横ばいとなりました。一方で、同じ都道府県内でも、中心部や訪日外国人効果を受ける地域とそれ以外では2極化が拡大しました。
【ポイント2】“鳩居堂”前は4,432万円と過去最高
再開発などにより、上昇は周辺地区に波及
最も地価が高い地点として有名な東京都中央区銀座五丁目の“鳩居堂”前は4,432万円と、前年度(4,032万円)比+9.9%で過去最高となりました。同じ銀座では、“GINZA PLACE”前、“三越銀座店”前も “鳩居堂”前と同額となりました。“鳩居堂”前は前年の+26.0%からは鈍化するなど都心では上昇率が縮小した地点が多くなりました。
一方で、世田谷、品川、足立など都心以外の利便性の高い周辺部ではエリアの再開発が牽引して、上昇率が前年を上回る地点が目立ちました。
【今後の展開】企業のオフィス需要や訪日客の増加などが地価の上昇要因
現在の地価の上昇は、企業の強いオフィス需要や外国人観光客の大幅な増加が要因とみられます。外国人観光客の増加により大都市やリゾート地などでも地価の上昇が目立ちました。
東京では、今後2020年にかけて、オフィスビルの大規模供給が予定されていますが、企業は働き方改革や人材確保を進めており、好条件のオフィスへの需要は旺盛です。また2020年の東京オリンピックに向け、政府は訪日外客数を4,000万人とする目標を掲げており、こうした需要などが今後も地価の上昇要因となりそうです。