人気ジャンルの変化で国内売り上げが減速傾向、“2強”体制続く

 中国工業情報化部の統計によると、国内オンラインゲーム市場(モバイルゲーム、インストールゲーム、ブラウザゲームを含む)の売上規模は18年1~5月に前年同期比25%増と、これで2カ月連続で減速した(1~3月は33%増、1~4月は28%増)。BOCIはサンドボックス型FPS(サンドボックス=舞台となる世界を自由に動き回って探索・攻略できるタイプのゲーム、FPS=一人称視点のシューティングゲーム)人気を受け、MOBA(マルチプレイヤーオンラインバトルアリーナ)ゲームにしわ寄せが及んだことが市場全体の減速を招いたとの見方。FPS部門では今も、マネタイズ(収益事業化)の点で不確実性が存在すると指摘した。サンドボックスFPSモバイルゲームの場合、月間アクティブユーザー(MAU)当たりの月間平均課金は現在、推定2~3元程度と、MOBAの10~15元、MMORPGの100元超を大きく下回るという。ただ、サンドボックスFPSのマネタイズの潜在性は大きく、業界全体がその方法を模索している状況。例えば第三者視点のシューティンングゲーム『フォートナイト』の場合、MAU当たりの平均課金額がすでに2.5米ドルを記録している(PCやゲーム機、スマホを含む)。

 オンラインゲームの売上伸び率が減速する半面、ゲーム利用時間は引き続き伸びており、モバイル・オンラインゲームの総時間数は18年1~3月期に前年同期比32%増。FPS人気が奏功したという。こうした人気ジャンルの変化は短期的に売り上げの減速につながるが、BOCIによれば、長期的にはプラス。長期視点で見れば、オンラインゲーム業界の成長はプレイ時間数主導型であり、新たなゲームジャンルの台頭に支えられている部分が大きいという。このほか、1~5月の減速の一因とされるのは季節要因。4~6月は公休日や長期休暇が少なく、ゲーム売り上げが伸び悩む傾向がある。

 中国のオンラインゲーム市場の勢力図を見ると、最近ではテンセント(00700)、ネットイース(NTES US)という“2強”への集約化が一段と鮮明になっている。18年3月以降は、この2強がiOSトップセールスランキングの上位10作品をすべて分け合う状況となっており、BOCIはこうしたトレンドが当面続くと予想。その理由として、ユーザー取得コストやゲーム開発費の増大を挙げた。

 個別では、BOCIはテンセントとIGG(00799)の株価の先行きに対して強気見通しを示し、ネットイースについては中立見通しを付与。テンセントについては18年4~6月のモバイルゲーム収入、PCゲーム収入をそれぞれ195億元(前年同期比32%増)、138億元(前年同期比1%増)と推定。モバイルゲーム部門のシェア拡大や広告費・その他収入の伸びを理由に、同社をゲームセクターのトップピック銘柄とした。IGGについては18年上期に前年同期比39%の増収を予想。現在株価の低バリュエーション(18年調整後予想PERで8.8倍)を強気見通しの理由としている。