米中問題を無視して株価上昇中の銘柄は?

 全体相場の波乱時には、株価が上昇する銘柄が減少します。このことに疑問を持つ投資家は少ないと思います。「仕方がない」という理解にもなります。足元の東京市場には「米中貿易摩擦」という波乱要因が襲い掛かりました。アメリカと中国の“報復関税競争”が世界的な貿易の冷え込みにつながると懸念されました。

 とくに中国のマクロ経済に対する動向が気にされ、足元の日本株は、上海総合指数、香港ハンセン指数の弱含みに歩調を合わせる場面が何度も見られています。半面、米国株価指数はそれほど波乱になっていないことを考えると、「米中貿易摩擦」については、「中国がより“負”を被る」と投資家が見ていると判断することになります。それに呼応するようにドル高円安が進行していますが、これも新興国(中国含む)からアメリカへの資金回帰とみなすことができます。もしアメリカからの資金流出が起きているのであれば、ドル円相場はドル安円高になるはずですので、為替相場の動きからも「中国がより“負”を被る」と見られていることが確認できます。

 株価はすべての情報や状況を織り込み推移していきます。それは個別銘柄でも同様です。流動性がそれなりにある銘柄であれば、なおさらそういうことになります。足元の状況を織り込み、さらに株価の上昇傾向が崩れていない逆行高銘柄は、足元の懸念が気にされていない銘柄ということになり、「米中貿易摩擦」が長引けば長引くほど注目されていく(≒一段高)可能性があると考えられます。

  • 日経平均が年初来高値を付けた頃(1/23)と株価水準に変化がない
  • 「米中貿易摩擦波乱時」(6月中旬~)に株価が逆行高している

 この2つの動きをしている銘柄、さらに新規上場株にもフォーカスして、今月の「10万円株」を5つピックアップしています。