米中問題を無視して株価上昇中の銘柄は?
全体相場の波乱時には、株価が上昇する銘柄が減少します。このことに疑問を持つ投資家は少ないと思います。「仕方がない」という理解にもなります。足元の東京市場には「米中貿易摩擦」という波乱要因が襲い掛かりました。アメリカと中国の“報復関税競争”が世界的な貿易の冷え込みにつながると懸念されました。
とくに中国のマクロ経済に対する動向が気にされ、足元の日本株は、上海総合指数、香港ハンセン指数の弱含みに歩調を合わせる場面が何度も見られています。半面、米国株価指数はそれほど波乱になっていないことを考えると、「米中貿易摩擦」については、「中国がより“負”を被る」と投資家が見ていると判断することになります。それに呼応するようにドル高円安が進行していますが、これも新興国(中国含む)からアメリカへの資金回帰とみなすことができます。もしアメリカからの資金流出が起きているのであれば、ドル円相場はドル安円高になるはずですので、為替相場の動きからも「中国がより“負”を被る」と見られていることが確認できます。
株価はすべての情報や状況を織り込み推移していきます。それは個別銘柄でも同様です。流動性がそれなりにある銘柄であれば、なおさらそういうことになります。足元の状況を織り込み、さらに株価の上昇傾向が崩れていない逆行高銘柄は、足元の懸念が気にされていない銘柄ということになり、「米中貿易摩擦」が長引けば長引くほど注目されていく(≒一段高)可能性があると考えられます。
- 日経平均が年初来高値を付けた頃(1/23)と株価水準に変化がない
- 「米中貿易摩擦波乱時」(6月中旬~)に株価が逆行高している
この2つの動きをしている銘柄、さらに新規上場株にもフォーカスして、今月の「10万円株」を5つピックアップしています。
波乱時逆行高!一段高に挑む10万円株
株価データは2018年7月12日終値ベース。
コジマ(7513・東証1部)
家電量販の中堅チェーンです。2012年にビックカメラグループの傘下に入り、店舗改装や顧客サポートを強化し、現在も経営再建の途中にあると言える企業です。折からの消費回復期待に加え、ここまでの猛暑による「エアコン需要期待」も株価の後押しになっていると考えられます。
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・コジマの日足チャート
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青:出来高移動平均(25日)
緑:出来高移動平均(75日)
丸善CHIホールディングス(3159・東証1部)
書店大手の丸善と図書館業務受託の図書館流通センターが2010年に経営統合、
2011年にはジュンク堂、雄松堂が参画した企業です。書店は出版市場の厳しさが続くものの、大規模の「丸善ジュンク堂」が健闘、図書館業務支援は順調推移となっています。デジタル時代に対応した出版流通プラットフォームの構築も目指し、電子書店「honto」を展開しています。
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・丸善CHIホールディングスの日足チャート
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青:出来高移動平均(25日)
緑:出来高移動平均(75日)
リネットジャパングループ(3556・マザーズ)
GW明けから堅調を続ける、マザーズ市場では稀有な銘柄です。中古買い取り・販売の『ネットオフ』を展開しています。古本から総合化し、PCなど小型家電リサイクル事業も手掛けています。このほかカンボジアでの自動車・農機販売事業を手掛け、貧困層等向け小口金融のチャムロン社の株式を90%取得する契約も締結しています。ネット通販の提携先拡大へ向けた動きもあります。
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・リネットジャパングループの日足チャート
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青:出来高移動平均(25日)
緑:出来高移動平均(75日)
じげん(3679・東証1部)
各情報サイトを一括検索する集約サイトを展開。成果報酬型の課金設定に強みを持つ企業です。求人情報と不動産情報関連が柱になっており、このほか美容特化型求人サイトなどにM&Aを行うなど分野の拡がりを狙っています。足元の人手不足を反映し、とくに「求人情報」が好調です。2月末の高値から約3割下落、底練りを続けた後出直り気配があります。
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・じげんの日足チャート
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青:出来高移動平均(25日)
緑:出来高移動平均(75日)
FIG(4392・東証1部)
7月2日にモバイルクリエイトと石井工作研究所の完全親会社として設立され、東証1部に上場された銘柄です。移動体管理システムの開発・販売と付随する通信・アプリケーションのサービス企業、半導体関連製造装置、自動車搭載装置の製造・販売子会社を傘下に持ちます。株価は初値323円→7月5日安値280円を付けた後、急速に切り返しています。
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・FIGの日足チャート
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青:出来高移動平均(25日)
緑:出来高移動平均(75日
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