※この記事は2018年7月6日に掲載されたものです。

≫≫前編【横山光昭さん:ボーナスが元手でも、投資デビューは「3,000円がいい」理由】​

 投資の勉強は夏休みの宿題と同じ。「あとでやろう」と先送りしてしまうと、気がついたときには「あと」がなくなっていて、あわててやって失敗しがち。投資に詳しいFPの横山光昭さんは、「少額資金でもいいので、早いうちから少しずつ投資の勉強を始めてください」とアドバイスしています。ただし、「家計に順番があるように、投資にも順番があります」とも。その順番とは?

おトクなiDeCoやNISAを使う前に、することがある?

 最初に前編のおさらいをしておきましょう。 

 横山さんによると、必ず守るべき「家計」の順番とは、

家計を管理して支出を抑える → お金の余裕をつくる → 貯金をする → 投資について学ぶ → 投資をする

 家計の管理も余裕のお金の準備も投資の勉強もしていないうちから、仮想通貨が盛り上がっているからボーナスでビットコインを買ってみようとか、為替が円高になったと聞いたからFX(外国為替証拠金取引)を始めてみようという順番飛ばしはナシです。

 

 いきなり仮想通貨やFXを始めるケースは極端だとしても、「国の制度であるNISA(少額投資非課税制度)やiDeCo(個人型確定拠出年金)を使うと税金の優遇を受けられるので、さっそくやってみたくなりますが、それもまだ待ってください。NISAやiDeCoという制度はいいと思いますが、まずは家計の管理をして、支出を抑えることから始めてください」

 家計の管理とは消費、浪費、投資のバランスを見直すこと。ここでいう投資とは、仕事のスキルを上げたり教養を身に付けたりするための自分への投資、万が一に備えた貯金なども含まれます。月収の中から投資のお金に回す割合は前編で詳しく解説していますが、ひと言でいえば「月々の収入から生活費や貯金にまわす分を除いた残りの『余裕のお金』が投資のお金」です。