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東京証券取引所などは6月26日、全国4証券取引所上場企業の「2017年度株式分布状況調査」の調査結果を発表しました。これによれば、2017年度の株主数合計(延べ人数)は、前年度比166万人増加して5,272万人となりました。個人株主数は、4年連続で増加するとともに、初めて5千万人を上回りました。投資部門別では『投資信託』の保有比率の拡大や金融、事業法人の低下などが注目されます。
【ポイント1】東証などは「2017年度株式分布状況調査」を発表
『投資信託』の増加が顕著
「2017年度株式分布状況調査」によると株主数全体の約97%を占める個人株主数は、延べ人数で前年度比162万人増加して5,129万人となり、4年連続で増加して、初めて5千万人を超える結果となりました。
投資部門別の保有比率(以下金額ベース)をみると、外国人が30.2%(前年度比+0.1%)、事業法人等が21.8%(同▲0.3%)、金融機関(除く投信)が21.5%(同▲0.6%)、個人が17.0%(同▲0.1%)、『投資信託』が7.2%(同+0.9%)となり、『投資信託』の増加が目立ちます。
【ポイント2】個人の保有比率は最低を更新
日銀のETF購入に伴い『投資信託』の保有比率は上昇
個人は株主数こそ増加しましたが、保有比率は17.0%と前年度比で▲0.1%となり、前年に続き過去最低を更新しました。
日本株の売買の約7割を占める海外投資家の保有比率は、30.2%と同+0.1%にとどまりました。業種別にみると、東証33業種の内、石油・石炭製品は前年度比+5.8%、その他製品は同+3.6%、反対に海運業は同▲4.5%、食料品は同▲3.7%となりました。
日銀は年6兆円ぺースでETFの購入を行っており、この日銀の買いは『投資信託』に分類されます。『投資信託』の保有比率の6.3%→7.2%への上昇は、主に日銀のETF購入によるものと推測されます。
【今後の展開】企業統治指針の改定による持ち合い解消の動きに注目
持ち合い株について、東証は6月の企業統治指針(コーポレートガバナンス・コード)改定で解消を促しました。保有比率の変化をみると、都銀・地銀の保有比率は前年度から3.5%→3.3%、生、損保では各々3.4%→3.2%、1.2%→1.1%、事業法人は22.1%→21.8%と低下しています。今後の動向が注目されます。