「野球場」を超えた、楽天生命パーク宮城のボールパーク構想を徹底取材!

超ド級の野球マニアであるアナリスト篠田尚子が、入場者数増加率12球団トップの楽天イーグルスのスゴい仕掛けについて、ビジネス視点で徹底分析してきました! 

現場で野球を楽しむ人は増えている

 ライブ中継の普及で世界中のプロスポーツが身近になった今、かつてと比べて日本のプロ野球人気は低迷したといわれています。しかし、実際に野球場に足を運ぶ人の数が右肩上がりで上昇していることをご存知でしょうか。日本野球機構(NPB)によると、2017年公式戦の総入場者数は、セ・リーグとパ・リーグ合わせて2,514万人。2012年以降、5年連続で増加しています。

 その一翼を担っているのが、東北楽天ゴールデンイーグルスです。本拠地の楽天生命パーク宮城は、野球観戦だけでなくスタジアムを丸ごと楽しむというコンセプトのもと、本場米国メジャーリーグのようなスタジアムのボールパーク化を進めてきました。結果、主催試合の入場者数は2014年以降、4年連続で球団新記録を更新。また、昨季2017年の1試合平均入場者数は、前年比10.7%増と、12球団トップの増加率を記録しました。
 

ボールパークの象徴「スマイルグリコパーク」

 仙台駅からシャトルバスで約8分、歩いても約20分と、新幹線の停車駅からのアクセスが抜群に良い楽天生命パーク宮城。スタジアムの中に入ると、レフトスタンド後方にそびえ立つ観覧車が目に飛び込んできます。この日本球界初の観覧車をはじめ、メリーゴーラウンドや広い芝生エリア、さらには数々のフォトスポットもあり、子どもからお年寄りまで遊ぶことができるのが、2016年にオープンした「スマイルグリコパーク」です。当日の観戦チケットがあれば入園料は無料(一軍公式戦のない日は大人500円、子ども300円で1日遊び放題)。野球の試合は3時間前後と長いため、途中で子どもが飽きてしまっても、一緒に遊べる場所があるというのは安心です。

「スマイルグリコパーク」の中でも特におすすめしたいのが、観覧車からの試合中の眺め! 楽天生命パーク宮城は、日本でも数少ない天然芝を使ったスタジアムなので、ナイターでもきれいな緑が広がるグラウンドを見下ろすことができます。運が良ければ、上空に飛んでくるホームランボールが見られるかもしれません。(※アトラクションの利用には別途プレイチケットが必要)

 

コアな野球ファンをも唸らす豊富な席種

 野球観戦と聞くと、狭い座席に何時間も座りっぱなしで窮屈…という印象をお持ちの方も多いと思います。メジャーリーグ中継を見て、内野席前方の広い座席にゆったりと腰かけて観戦する観客をうらやましく思った方もいるでしょう。実際に、メジャーリーグと日本のプロ野球の球場には、敷地の広さという決定的な違いがあります。こればかりは仕方がありません。

 しかし、アメリカに住んでいたこともある私が、メジャーと日本のプロ野球を見比べて、最も違うと感じるのは、単なる座席の大きさではなく、その種類の豊富さです。メジャーリーグ中継に映り込むような席は、実はチケットが1枚10万円前後する「超」プレミアシートであることがほとんどです。日本の場合、毎試合10万円単位の高価なチケットが販売されることはさすがにありませんが、最も安価な座席は、1,000~2,000円程度で日米ともにほとんど差がなく、席が狭いというのもやはり同じです(メジャーの場合は球場が広い分、グラウンドから遥か遠く離れた席になることも多い)。つまり、多様な席種を作って、チケットの価格レンジを広く設け、観客ごとに異なるニーズを着実に掴んできたのが、メジャーリーグの球団運営の1つの形なのです。

 近年は日本でも、ファウルゾーンにせり出したフィールドシートや、テーブル付きのテラスシートを設ける球場が増えましたが、席種の多様さという点で、楽天生命パーク宮城を上回る球場はありません。

 席種は一般席、ボックス席、パーティーデッキあわせて実に40以上。一人でじっくり選手のプレーに集中したい人から、お酒や食事を楽しみつつ賑やかに応援したいグループまで、多種多様なニーズに応えてくれる席が用意されています。ユニークなものでは、「牛たん利久」の牛たん焼が付いた「牛たんモリモリデッキ」(最大で52名まで利用可能)なんてものも!

 また、年間シートも39種類用意されています。バッターボックスの真後ろに位置する「プレステージ・プラチナ」は、選手の息づかいが感じられるぐらいの超至近距離が魅力。専用入場ゲートやバーラウンジも用意されているこのシートは、残念ながら現在キャンセル待ちとのこと。その他の年間シートも、毎年のリピート率は90%を超えていて、地元企業の福利厚生等にも活用されているそうです。

 

「かゆいところに手が届く」ホスピタリティ

 取材班がスタジアムを訪れたこの日は、昼過ぎまであいにくの雨。ぐずついた空模様の時は、座席を拭くためのぞうきんを「雨対策グッズ」の1つとして持参するのですが、わざわざ東京からぞうきんを持参していた私がスタジアムに着いて最初に驚いたのがこちら。

 

 また、子ども向けのユニークなサービスとして、「ジェット風船回収」があります。中学生以下の子どもに限り、ラッキーセブンと楽天イーグルスの勝利時に飛ばすジェット風船を10個集めて付近の「エコステーション」に持っていくと、ステッカーと交換できるというもの 

 

 ラッキーセブン後と試合勝利時、スタジアムのあちこちで必死に風船を集める子どもの姿がみられます。回収されたジェット風船は、RPFという燃料にリサイクルされ、環境にもやさしい取り組みといえます。

 その他、スタジアム内で少しでも困ったことがあった時は、スタジアム正面広場と「スマイルグリコパーク」内にある「イーグルスデスク」へ。この「イーグルスデスク」の最大のポイントは、臨時のアルバイトではなく、球団職員が常駐していること。スタジアムを訪れるファンの声に耳を傾け、職員自らが対応することを目的としています。スタジアム内の設備やショップについて訪ねることができるだけでなく、日焼け止めやカイロのプレゼントのほか、ファウルボール打球事故防止用のグローブ・ヘルメットの貸し出しなども行っています。

 

オマケ:ビール好きは楽天Edyでオトク、かつスマートに

 楽天生命パーク宮城では、ほとんどのショップとグルメスタンド、さらにはビールの売り子さんでも楽天Edyで決済ができます。Edyで支払うと、なんと生ビールが何杯でも30円引に!「野外球場で飲むビールが世界一美味しい」と信じて疑わない私にとって、これは何よりうれしいサービスです。

 Edyの利用状況は年々増加しているそうで、売り子さんの感覚では、現在は売り上げの約半分がEdy決済とのこと。観戦中の小銭のやり取りは非常にわずらわしいので、「シャリーン♪」とお支払いし、注ぎたての生ビールを楽しみます。

◎今回の聞き手
 

楽天証券経済研究所 ファンドアナリスト 篠田 尚子
プロ・アマ問わず、実は大の野球好き。遠征試合、キャンプ、さらにメジャーリーグ観戦にも足を運ぶ現場主義だが、最近セイバーメトリクスにも手を出し始めた。好きなポジションはキャッチャー。日課はCSの「プロ野球ニュース」を見ること。ビールは絶対に売り子さんから買う派。両手に持つのは一緒に応援した楽天証券のキャラクター「かぶ助くん&ラディ子ちゃん」。 

 


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