固定で引かれる口座管理手数料は、「最初の100万円くらいまで」の影響がさらに大きい

ところで、固定費で徴収する口座管理手数料という手数料体系はあまりなじみがないものです。銀行口座も証券口座も(NISA口座も)手数料を別途取ることは基本的になかったからです。

毎月定額を徴収する、という仕組みですが、これは金額の多少にかかわらず同額が徴収されます。これはつまり、資産が50万円でも100万円でも500万円でも同額を引くということです。

仮に年6,000円だとしたら資産額によってインパクトは下記のようになります。

  • 50万円年1.2%相当
  • 100万円年0.6%相当
  • 500万円年0.12%相当

つまり、積立開始から最初の数年間ほど、口座管理手数料のインパクトが大きく、資産形成が軌道に乗った以降はインパクトは小さくなる、ということです。

iDeCoの場合、スタートは「必ずゼロ円」であり、毎月少額の積立から継続するしかありません。どんな富裕層であろうと、1年続けてようやく数十万円の入金にしかならないわけです。

ざっくりいって、資産額が300万円を超えてくれば、口座管理手数料より運用商品重視でもよいかもしれません。しかし「口座開設」のときには口座管理手数料について最重要視したほうがいいと思います。

(ちなみに運営管理機関は変更可能です。ただし変更に伴う数カ月の掛金ブランクが生じる可能性があります)

12月に入り、「iDeCoの口座開設、そろそろ決めよう」と思っている人は、ぜひとも口座管理手数料に着目してみてください。