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 拡大する世界の『eコマース』市場の中でも、最も大きな市場規模となっているのはアジアです。しかし、インターネットの普及はまだ過渡期にあり、中国やインドといった人口大国でインターネットの普及が進むことで、アジアの『eコマース』市場は一段と大きくなると考えられます。比較的高い経済成長が続くと見込まれるアジアでは、中間所得層を中心とする購買力の上昇が『eコマース』市場の拡大をさらに後押しすると期待されます。

 

【ポイント1】世界全体の約4割を占めるアジアの『eコマース』市場

2022年には、2017年比で約1.8倍に成長すると期待される

 世界の『eコマース』の市場を地域別に見ると、アジアは世界全体の約4割を占める最も大きな市場となっています。国際市場調査会社のユーロモニター・インターナショナルによれば、2017年現在、アジアの『eコマース』市場の規模は約5,534億米ドルとなっています。これが、2022年には約9,855億米ドルと、現在の約1.8倍に成長すると期待されています。

 

【ポイント2】インターネットの普及はまだこれから

日米欧に比べて未だ低水準

 一方インターネットの普及率(2016年現在)は、日欧の約9割、米国の76.2%という普及率の高さに比べて、アジアは低水準となっています。

 例えば、世界の『eコマース』市場の3割以上を占め、世界最大の市場規模である中国では、インターネットの普及率は53.2%と、ようやく半数を超えたところです。また、インドでは29.5%とアジアの中でもさらに低水準で、今後ますます普及が進むと見られます。

 中国やインドは、人口規模が世界第一位と第二位の人口大国です。こうした国々で、今後インターネットの普及率が拡大すると、『eコマース』市場の規模は一段と大きくなると考えられます。

 

【今後の展開】消費意欲の高まりがアジアの『eコマース』市場拡大の追い風に

 国際通貨基金(IMF)が発表した最新の世界経済見通しによると、2018年の世界全体の成長率は前年比+3.9%と予想されています。このうち、新興アジアではインドなどがけん引することで同+6.5%と、他地域に比べて高い成長が見込まれています。また、より良い暮らしへのニーズが高まり、様々な消費が拡大すると考えられる中間所得層(購買力平価ベースの年間所得水準が5千米ドル超、3万米ドル以下)の6割以上をアジアが占めています。今後もアジアでは中間所得層の増加が見込まれています。こうした購買力の上昇がアジアの『eコマース』市場拡大の追い風となると期待されます。