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夫婦でいっしょに証券口座「ファミリーアロケーション」のススメ
山崎 俊輔
なんとなくから卒業!実践・資産形成術
誰にとっても重要で大切な「年金」と「老後資金準備」について、「漠然とした不安」から卒業しよう! これからの人生のマネープランを、主体的にかつ前向きに組み立てるためのヒントを、ファ…

夫婦でいっしょに証券口座「ファミリーアロケーション」のススメ

2018/5/22
・ファミリーアロケーションはつみたてNISA登場でどう変化したか
・まずは「iDeCoを夫婦で2口座」が第1ステップ
・次に「NISAを夫婦で2口座」を考える
・投資方針のアロケーションも考えておきたい
・夫婦で「これくらいを貯めていこう」という目標管理ができるようになる
・(おまけ)最後のハードルは…
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ファミリーアロケーションはつみたてNISA登場でどう変化したか

 昨年の5月に、夫婦でiDeCo口座を2つ持つ投資方法についてコラムを寄せました。

夫婦で2つのiDeCo口座を開設する「ファミリー・アロケーション」を考えてみよう

強力な税制優遇があるiDeCo口座はひとり1口座しか開設できないことから、夫婦で2口座開設することの重要性と「夫婦の合計資産」をひとつと考えたポートフォリオマネジメントのヒントをまとめてみたものです。

 あれから1年がたち、今度はつみたてNISAもスタートしており、「ファミリーアロケーション」のバージョンアップが必要になってきています。今回は「ファミリーアロケーションVer.2018」ということでもう一度「夫婦の投資口座の管理方法」を考えてみたいと思います。
 

まずは「iDeCoを夫婦で2口座」が第1ステップ

 つみたてNISAがスタートしたといえ、基本的に「iDeCoファースト」であることは変わりません。老後資産形成はどんな夫婦にとっても重要課題で、かつ準備進捗がおろそかになりがちなテーマであることを考えると「夫婦がそれぞれ月1.2万円でもいいので老後の貯金をする」という環境作りが重要になっています。
(月1.2万円の上限は企業年金のある会社員および公務員の上限。企業年金のない会社員および専業主婦の場合は月2.3万円まで積立可能。自営業者の場合は月6.8万円)

 iDeCoは開設さえすれば強制的に毎月積立をスタートさせるしくみですし、所得税や住民税を軽減させる効果がそのまま自分の資産増につながると考えると、「夫婦でiDeCoを2口座保有」することが優先課題といえます。働き盛りの共働きであれば所得税や住民税を相当下げてくれ、老後資産がその分ハイペースで増える感覚になります。

 月2.3万円(年27.6万円)を夫婦で積み立て、どちらも25%の所得税・住民税軽減になっているとしたら、年13.8万円も税金負担を減らすことになります。税や社会保険料をガンガン引かれる世代としてはこのメリットは見逃せないはずです

 これは個人年金保険と比べても格別の効果です。毎月3.45万円の負担をすれば1.15万円の収益を得ているようなものですから、30年続けたとすれば運用益がほぼゼロ(口座管理手数料をまかなう程度であった)としても、1.242万円の負担に対して税制優遇が414万円も累積、受取額は1.656万円となり、個人年金保険がよく利用する単純割り算の受け取り率では「133%」になります。とある個人年金保険が「104%」を誇らしげに広告しているのと比べてどちらが魅力的かは明らかでしょう。

 一般的に、夫婦のどちらかが先に関心を示してiDeCoをスタートすると思いますが、相方にも話題を振って、「夫婦ともにiDeCo」をすすめることがふたりの老後と目の前の家計にとって大きなメリットになります。

 

次に「NISAを夫婦で2口座」を考える

 次に考えたいのは「NISAを夫婦で2口座持つ」ということです。NISAについては「夫婦で2口座の活用の余地」が少し広がります。

ひとりの運用だけを考えればNISAは2口座持てませんから、つみたてNISAの長期投資のメリットを取るか(一般NISAの4倍の20年)、一般NISAの大きな投資可能枠を取るか(つみたてNISAの3倍の年120万円)、どちらかを選ばなければいけません。

しかし夫婦でNISA口座を2つ持つことができれば、

  • 夫:一般NISAで個別株も売買する投資
  • 妻:つみたてNISAで投資信託を使ったインデックス投資

のようなやり方で「NISAとつみたてNISAの併用」が実現します。2口座の組み合わせですから、「一般NISA2つ」「つみたてNISA2つ」「一般NISAとつみたてNISA1つずつ」という選択が増えてくるわけです。

資産形成のねらいとして、中長期を考えている場合、あるいは年40万円の投資枠が十分である場合は、つみたてNISA選択を優先させるといいでしょう。

逆に一般NISA口座を優先する理由として年40万円の枠では十分ではない場合と、投資信託以外の投資対象、特に個別株を保有したいか、になります。

つみたてNISAの選定基準に合致したものが商品選択の価値ありとみますが、同じ商品を一般NISAで定期購入することも可能なので、これをつみたてNISAと決める理由にする必要はないでしょう。

悩んだ場合は、20年にわたって中途解約を先送りするインセンティブが生まれるつみたてNISAを開設すればよいかと思います。資金ニーズをできるだけ先送りさせるほうが、老後資産形成(人生最後の資産形成ニーズ)に用いやすいからです。

 

投資方針のアロケーションも考えておきたい

 iDeCoやNISA、その他の口座を統合的に把握し、効率的なポートフォリオを考えることをアセット・アロケーション(資産配分の最適化)をもじって「アセット・ロケーション(資産の置き所の最適化)」と言うことがありますが、このテーマはファミリーアロケーションでも検討すべき課題です。

 夫婦において「投資をしてもいい資産枠」と「預貯金で保有する資産枠」の割合を共有し、投資資金についてはiDeCoとNISA口座で優先的に購入していきます。

 iDeCoについては運用益非課税のメリットがありますが、定期預金の運用益ほど低い収益率もありませんので、できる限り投資資金を投入したいところです。NISAは皆さんもご承知のとおり、リスク資産しか購入できませんので、投資枠の範囲でNISAを活用します。

 今までほとんど投資をしていない夫婦が、積み立てをベースに資産形成を考えていくのであれば、iDeCoやつみたてNISAの上限すべてを投資資金としても「資産全体としてのリスク資産割合」はそれほど高くありませんので、非課税投資のメリットを最大限活用していくといいでしょう。

 なお、「iDeCoの月2.3万円は全額投資をする」とか「つみたてNISAで毎月3万円相当の積立投資をする」といったことは夫婦間で意識共有がなされることが理想的です。

「これは私の稼いだお金での売買であるから自由にしたい」という気持ちは分かりますが「投資の詳細は任せてもらう」が「投資を行う規模はコンセンサスを得る」というくらいの線引きをしておくといいでしょう。

 また、「インデックス運用をベースに投資信託やETF(上場投資信託)で投資する」のか、「個別株の投資も行う」のかも、コンセンサスは得ておきたいところです。夫婦ともに個別株の短期売買を行う必要はないので、ファミリーアロケーションとしては「個別株担当」と「インデックス投資担当」がわかれておくといいでしょう。

 

夫婦で「これくらいを貯めていこう」という目標管理ができるようになる

「毎月の積み立て状況」や「投資方針や購入商品の概略」が共有されるということは、どのくらいのペースで資産が増加していき、将来どのくらいの資産になり得るのかも共有できるということです。

 できれば年に1回ほどのペースで資産状況を共有しておきたいところです。このとき一時的な値下がりがあってもお互いを責めないようにしましょう。

 資産の増加ペースと運用利回りを設定すれば、「夫婦がリタイアしたときの資産額がどれくらいか」のようなイメージを持つことも可能になります。

 税制優遇のある口座を夫婦がフル活用しながら将来の目標に向かってお金を増やしていく体制をぜひ整えてみてください。

 

(おまけ)最後のハードルは「相方を説得すること」かも

 さてファミリーアロケーションの2018年バージョンのルールを解説してみましたが、最後の課題は「相方の説得」かもしれません。

 どんな有利な制度であろうと、本人の納得のないところで口座開設をすることはできません。また仮に申込書を代理で作成したとしても、口座引き落としや口座管理は本人の名義のもと行わなければなりません。

 一般に、夫婦の片方は投資の興味と理解があるものの、片方は無関心ということが多いものです。ファミリーアロケーションの効率化も配偶者の同意がなければ実現できません。

 NISAもiDeCoも、自分で申込書を書いて自分で拠出するところは大きなハードルです。iDeCoについては定期預金であっても所得控除のある分、運用利回りが確保されているようなものなので、投資をしなくてもいいのでまずは口座開設してもらうといいでしょう。

 配偶者に投資の意義や税制優遇の魅力を説きつつ、口座開設をしてもらうのは大変かもしれません。しかし夫婦の資産形成を考えれば避けられない重要課題です。ぜひ、パートナーを説得して、ファミリーアロケーションをスタートしてみてください。
 

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桐谷広人
投資の失敗
日本株
老後破綻

 

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