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 多くの人がパソコンやスマートフォンを手にするようになり、インターネットがより身近になった昨今、世界で『eコマース(電子商取引)』の市場が急拡大しています。「あちこちの店舗を回るのが大変、店舗が遠かったり交通が不便、商品を持ち帰るのが負担」などといった悩みも『eコマース』により解決できるようになりました。また、『eコマース』を通じて得られる情報の活用により、消費活動はより広がっていくと期待できそうです。

 

【ポイント1】世界の『eコマース』市場は過去5年で約2.5倍に!

今後5年で、さらに約1.7倍に成長すると見込まれる

 パソコンやスマートフォンの普及により、世界で『eコマース』の市場が拡大しています。国際市場調査会社のユーロモニター・インターナショナルによれば、2017年現在、世界の『eコマース』の市場規模は1兆3,823億米ドルとなっています。2012年の5,479億米ドルと比べると、約2.5倍になりました。また、2022年には2兆3,903億米ドルと、その市場規模は約1.7倍に成長すると見られています。

 

【ポイント2】利便性の高さが市場拡大の一因

無数の商品から選べ、より手軽に購入できるように

『eコマース』市場が成長している一因に、その利便性の高さが挙げられます。これまで物を買うには、消費者は店舗を訪れ、商品を自ら持ち帰る必要がありました。また、店舗の品揃えには限りがあり、欲しい商品を見つけるためには複数の店舗を見て回らなければならないようなこともありました。

 これが『eコマース』では、インターネットを通じて無数の商品から気に入った商品を比較的容易に探すことができます。店舗が遠い、交通などが不便、商品が大きく重くて持ち運びが困難・・・こんな悩みを解決し、より手軽に商品を手に入れることができるようになりました。

 

【今後の展開】『eコマース』を通じた情報の活用により、消費の拡大が期待される

 こうした利便性の高さに加え、『eコマース』では取引を通じて得られる情報が様々に活用できることもメリットの一つです。従来の店舗での取引では、販売者は「何を、何個、いくらで」販売したという情報が記録に残ります。一方『eコマース』では、さらに“誰が”という情報が得られます。つまり、購入者の属性や過去の購入パターンなどが把握できることで、より顧客層に合ったマーケティングが可能となります。

 また、AI(人工知能)によって、こうした膨大な情報(ビックデータ)の分析とその活用が進んでいます。販売者は消費者の好みに合った商品のPRが出来るようになり、消費者はより商品の検索がしやすくなるなど、相互に作用しあい、『eコマース』の広まりは消費活動の拡大に繋がっていくと期待できそうです。